ロンジンのモダンなダイバーズウォッチに、初めてGMTが搭載された。

ロンジンはハイドロコンクエストのラインナップにGMT機能を追加した、ハイドロコンクエスト GMTを発表した。ハイドロコンクエストは、(レジェンドダイバーやスキンダイバーのような伝統にインスパイアされたモデルとは異なり)ロンジンが提案するモダンなダイバーズウォッチとして2007年に登場したコレクションだ。ハイドロコンクエスト GMTは4色のダイヤルカラーから選択可能で、それぞれ単独で調整可能なローカル12時間針を備えたETAベースの新ムーブメント、ロンジン Cal.L844.5を搭載している。

 新型ハイドロコンクエスト GMTの直径は41mmで、厚さは12.9mm。ラグからラグまでの長さは明記されていないが、3針のハイドロコンクエストでは約50mmだった。ステンレススティール(SS)製ケースの防水性能は300mで、逆回転防止機能付きセラミック製ベゼルを備えている。4種類のダイヤルはすべてサンレイ仕上げで、SS製ブレスレット、またはダイヤルの色に応じたストラップ(ブラックまたはブルーはラバーストラップ、グリーンまたはブラウンはNATOストラップ)が用意されている(編注;NATOストラップモデルの日本展開はなし)。ロンジンによると、ブレスレットとラバーストラップにはマイクロアジャストクラスプを採用。時針は金メッキもしくはシルバーとスーパールミノバで仕上げられ、外周には24時間スケールが配置されている。
 内部には、72時間のパワーリザーブとシリコン製ヒゲゼンマイを備えたETAベースのロンジン製ムーブメント、L844.5を搭載。このムーブメントはロンジンによる新型ムーブメントで、スピリット Zulu Timeに搭載されているCal.L844.4と同様に、単独で調整可能なローカル時針を備えたジェームズが言うところの“フライヤー”GMTとなっている。

我々の考え

ハイドロコンクエスト GMTは、ロンジンの現代的なダイバーズウォッチであることに加え、より広範囲にわたる“ダイブGMT ”カテゴリに加わる価値を持つモデルのようだ。4色のカラーバリエーションはモダンなスタイル(ブルーまたはブラックのラバーストラップオプション付き、シルバーダイヤル仕上げ)、またはヴィンテージな スタイル(ブラウンまたはグリーンのNATOストラップ付き、金メッキダイヤル仕上げ)から選ぶことができる(編注;NATOストラップモデルの日本展開はなし)。だが、セラミック製ベゼルを備え、300m防水とISO764に準拠する耐磁性を備えたムーブメントを搭載した堅牢でモダンなダイバーズウォッチであることに変わりはない。



 3000ドル以下の堅実なGMTウォッチの選択肢が増えつつあるロンジンに、また新たなモデルが加わったことになる。ロンジンは2022年、直径39mmに小型化したZulu Timeを発表したばかりだ。特筆すべきは、ハイドロコンクエストGMTの厚さがZulu Timeのいずれのサイズよりも薄いことだ。ハイドロコンクエストの厚さ12.9mmはZulu Timeの42mm径よりも1mm薄い。

 ハイドロコンクエストは、現代のツールウォッチとして構想されたロンジンのモダンダイバーズである。ここ数年、新しいGMT搭載キャリバーが開発され続けているなかで、ロンジンがハイドロコンクエストの未来に向けた投資を続けているのは素晴らしいことだ。

基本情報
ブランド: ロンジン(Longines)
モデル名: ハイドロコンクエスト GMT(HydroConquest GMT)
型番: L3.790.4.06.6(グリーン、SS製ブレスレット)、L3.790.4.06.2(グリーン、NATOストラップ)、L3.790.4.66.6(ブラウン、SS製ブレスレット)、L3.790.4.66.2(ブラウン、NATOストラップ)、L3.790.4.56.6(ブラック、SS製ブレスレット)、L3.790.4.56.9(ブラック、ラバーブレスレット)、L3.790.4.96.6(ブルー、SS製ブレスレット)、L3.790.4.96.9(ブルー、ラバーブレスレット)※L3.790.4.06.2、L3.790.4.66.2は日本展開なし

直径: 41mm
厚さ: 12.9mm
ケース素材: SS
文字盤色: サンレイ仕上げのグリーン、ブラウン、ブラック、ブルー
インデックス: スーパールミノバを施したアプライド
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット: SS製ブレスレット(マイクロアジャストクラスプ付き、すべてのカラーに付属)、ブルーまたはブラックのラバーストラップ(マイクロアジャストクラスプ付き、対応するダイヤルカラーに付属)、NATOストラップ(カーキグリーンまたはベージュ、対応するダイヤルカラーに付属)


ムーブメント情報
キャリバー: L844.5
機能: 時刻、デイト、GMT (12時間針を単独で調整可能)
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万5200振動/時
石数: 21
追加情報: シリコン製ヒゲゼンマイ

価格 & 発売時期
価格: 40万3700円(税込) 編注;NATOストラップモデルの日本展開はなし。8/22より43万5600円(税込)に価格変更

タグ・ホイヤー最新作“カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリームスポーツ|F1® 75周年 リミテッドエディション”が2025年12月に登場する。

TAG Heuer(タグ・ホイヤー)
カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリームスポーツ|F1® 75周年 リミテッドエディション
本作は、世界最高峰のモーターレース”フォーミュラ1”の75周年を記念して製作された限定モデル。1963年に誕生した“カレラ”コレクションと、タグ・ホイヤーが培ってきたモータースポーツの伝統を取り入れた。

ケースは44mm径サイズ、サンドブラスト仕上げを施したチタン製に、18Kイエローゴールドの固定式ベゼルを組み合わせたデザイン。

文字盤は、ブランドを象徴するシースルー仕様で、チェッカーフラッグを思わせる模様がインパクト大。

また、ロジウムコーティングの針や、レコードのような同心円の溝を彫るアジュラージュ加工のクロノグラフカウンターを配し、12時位置にはF1ロゴ、タキメータースケールの”75”には公式記念ロゴを刻印した。

限定75本で、裏ブタには1950年から2024年までのF1チャンピオンシップの年号を刻印。勝利の象徴であるゴールドの冠がサファイアガラスにあしらわれ、F1の栄光を称える1本に仕上げられている。

 

そして、搭載するムーヴメントは、自社製トゥールビヨンキャリバー”TH20-09”。約65時間のパワーリザーブ機能や、10気圧防水機能も備える。

収納ボックスは、公式の75周年とブランドのロゴなどを含む、勝利の冠が刻まれたデザインとなっている。なお、販売予定価格は598万4000円だ。

H.モーザーのエンデバーにベンタブラック®ダイヤルが登場!

H.モーザーはジュネーブ・ウォッチ・デイズ 2023に向けて、エンデバーコレクションにふたつの新作、エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ベンタブラックとエンデバー・センターセコンド ベンタブラック®を発表した。このふたつのモデルは、2018年のエンデバー・パーペチュアル・ムーン コンセプトから昨年のゴージャスなレッドゴールドのストリームライナー・トゥールビヨンまで、H.モーザーがここ数年時計に使用してきた黒より黒いベンタブラック素材の素晴らしい延長線上にある。昨年のトゥールビヨン同様、ここでもトゥールビヨンが主役だ。
どちらも40mmの5Nレッドゴールド製ケースに、モーザーの“M”をあしらったリューズが特徴だ。エンデバー・センターセコンドは厚さ11.2mmで、ベンタブラック®文字盤の上にゴールドの針が浮かび上がっているようだ。内部には72時間のパワーリザーブとシュトラウマン・ヘアスプリング(2007年よりモーザー・プレシジョン・エンジニアリング社によって製造されているダブルヘアスプリング)を備えたモーザー社製自動巻きCal.HMC200が搭載されている。H.モーザーは数年前からベンタブラック®を採用し、遊んでいる(2019年のエイプリルフールのジョークを覚えているだろうか)。ベンタブラック®はカーボンナノ構造からなる素材で、99.965%の光を吸収し、地球上で最も暗い物質と言われている。
トゥールビヨン コンセプト・ベンタブラック®は、モーザーのコンセプトラインの延長線上にあるモデルだ。通常、時計の文字盤に配されるロゴやマークは排除され、その代わりに文字盤とコンプリケーションの存在を際立たせる、すっきりとしたオープンな文字盤が採用された。そしてこのモデルでは、ワンミニッツ フライングトゥールビヨンがすべてを物語っている。

エンデバー・センターセコンドの希望小売価格は2万7600ドル(約400万円)、エンデバー・トゥールビヨン コンセプトは8万2500ドル(約1200万円)だ。

エンデバーのラインナップに劇的な新しさをもたらすわけではないが、これはカッコいいペアだ。ブラックとゴールドの組み合わせは古典的なものだが、ブラックよりのベンタブラック®とH.モーザーの5Nレッドゴールドによって、さらにドラマチックなものとなった。トゥールビヨン コンセプト ベンタブラック®は、昨年発表されたストリームライナー トゥールビヨン ベンタブラック®をさらにドレスアップさせたようなモデルである。

 ストリームライナーのトゥールビヨンは、一見広大なブラックホールのような文字盤の真んなかにあり、見る者を魅了する。昨年はスポーティなストリームライナーのトゥールビヨンが大ヒットしたが、ドレッシーなエンデバーのラインナップのほうが個人的には好みなので、同社のカタログにこのオプションがあることを嬉しく思う。

 当初はちょっとしたジョークとして始まったのかもしれないが、H.モーザーはベンタブラック®を使い、実に見栄えのする時計を作り続けている。


基本情報
ブランド: H.モーザー(H. Moser & Cie.)
モデル名: エンデバー・センターセコンド ベンタブラック®(Endeavour Centre Seconds Vantablack®)
型番: 1200-0411

直径: 40m
厚さ: 11.2m
ケース素材: 5N レッドゴールド
文字盤色: ベンタブラック
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ハンドステッチのグレー・クードゥー・レザー、18K5Nレッドゴールド製のピンバックル

ムーブメント情報
キャリバー: HMC 200
機能: 時、分、秒
直径: 32mm
厚さ: 5.5mm
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 28石
クロノメーター認定: なし
追加情報: シュトラウマン・ヘアスプリング(モーザーの姉妹会社、プレシジョン・エンジニアリング社製)

価格&発売時期
価格: 2万7600ドル(約400万円)
限定: なし



基本情報
ブランド: H.モーザー(H. Moser & Cie.)
モデル名: エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ベンタブラック®(Endeavour Tourbillon Concept Vantablack®)
型番: 1804-0403

直径: 40m
厚さ: 10.7m
ケース素材: 5Nレッドゴールド
文字盤色: ベンタブラック
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ハンドステッチ入りのマットアリゲーターレザー、18K 5Nレッドゴールド製フォールディングクラスプ付き

ムーブメント情報
キャリバー: HMC 804
機能: 時、分、6時位置にワンミニッツフライングトゥールビヨン
直径: 32mm
厚み: 5.5mm
パワーリザーブ 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 28石
クロノメーター認定: なし
追加情報: スケルトン仕様のトゥールビヨンブリッジ

価格&発売時期
価格: 8万2500ドル(約1200万円)

COACH(コーチ)”から、2025年秋冬の新作ウオッチコレクションが登場した。

全国のCOACHウオッチ取扱店舗および公式オンラインストアにて順次発売となる。

COACH(コーチ)
2025年秋冬新作コレクション
ブランドを象徴するロゴモチーフや最新のラインウェイコレクションを基に、複数のモデルがラインナップする。

まずは、楕円形のケースが特徴の“SAMMY Seamless Bracelet(サミー シームレス ブレスレット)”。文字盤にはコーチを象徴する“C”モノグラムを淡くデザインし、控えめながらもブランドらしい個性を放つ。新採用のシームレスブレスレットは、バックルを排したストレッチ構造で、手首に自然に馴染む装着感を実現。時計という枠を超えたジュエリーライクな一本である。

カラーは、シルバーやイエローゴールド、ピンクゴールド、ホワイトの文字盤を備える3種をはじめ、イエローゴールドとブラック文字盤のカラーの全4種。販売価格は、各2万4200円だ。


CASS 22■Ref.7613272665285。SS(22mm)。3気圧防水。クォーツ。4万2900円
続いて、丸みを帯びたスクエアケースが印象的な“CASS(キャス)”は、チェーンリンクとレザーを組み合わせた大胆なブレスレットデザインが特徴。光沢のあるメタルが手元に存在感を与え、アクセサリーとしても映える仕上がりだ。カラーは、イエローゴールドに緑革と茶革の2種と、ピンクカラーの全3種。販売価格は、各4万2900円となっている。

さらに、柔らかいフォルムと華やかさを兼ね備えた“REESE(リース)”も登場。ケースの上下にストーンをあしらい、上品な輝きを添える。シンプルな中にも洗練を感じさせる1本である。カラーは、シルバー、ピンクゴールド、シルバーとイエローゴールドのコンビの3種。販売価格は、それぞれ4万2900円だ。

また、新作発売を記念して、COACHオリジナルのレザーチャームをプレゼントするノベルティキャンペーンも期間限定で実施中。上質なレザーを使用した非売品アイテムで、数量限定となる。

なお、売り切れとなっているモデルもあるため要確認だ。

金無垢腕時計の魅力と注意点を解説,人気モデルも紹介.

金無垢腕時計は、高級時計の世界において最高峰のステータスシンボルとして位置づけられています。ステンレスやチタン製の腕時計とは一線を画す輝きと重量感は、身につける人の品格を格段に引き上げてくれます。

しかし、高額な投資となる金無垢腕時計を選ぶ際は、素材の特性や資産価値、メンテナンス方法など、知っておくべきポイントが数多くあります。

本記事では、金無垢腕時計の魅力や人気モデル、購入前に押さえておきたい注意点などを解説します。特に初めて金無垢時計の購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

金無垢腕時計とは?

金無垢腕時計とは、時計のケース(本体)やブレスレット(バンド)部分に、金の含有率が75%以上(18金)の金合金を使用した時計を指します。表面だけに金メッキを施したものとは異なり、素材自体が金で構成されているため、「無垢」という表現が使われています。

一般的に高級時計メーカーでは、18金(75%)の金を使用することが多く、これは純金(24金)よりも硬度が高く、時計の素材として適しているためです。金の純度が高いほど価値は上がりますが、同時に柔らかくなるため、実用性とのバランスを考慮して18金が選ばれています。

金無垢モデルは、多くのブランドで最高級ラインに位置づけられており、限定生産されることも多いため、希少性の高いアイテムとなっています。

金無垢腕時計が人気の理由
金無垢腕時計は、単なる時計を超えた多面的な価値を持つアイテムとして、世界中の人から支持されています。ここでは、金無垢腕時計が人気の理由を紹介します。

高級感がある
金無垢腕時計は、他にはない圧倒的な高級感があります。金特有の輝きと重みは、身に着ける人に確かなステータスをもたらします。

この高級感は見た目の美しさだけではなく、金という貴金属が持つ歴史的価値や希少性によってさらに高められています。そのため、多くの経営者や著名人にとって金無垢時計は「成功の象徴」として選ばれてきました。

さらに、金の温かみを帯びた光沢はどんな光の下でも美しく映え、手元を上品に演出します。この輝きはメッキでは再現できない、天然素材ならではの特別な存在感です。

資産価値が高い
金無垢腕時計は、時計としての実用性だけでなく、素材そのものが資産価値を持つ点でも注目されています。金は世界的に通用する価値基準とされ、経済状況に左右されにくい安定した需要を誇る貴金属です。そのため、金無垢時計は単なる高級品ではなく、資産としての側面も備えています。

とりわけ有名ブランドの金無垢モデルは生産数が限られており、中古市場でも高値で取引される傾向があります。中には新品価格を上回る値段で売却される例も少なくありません。

近年は現物資産への投資意識が高まっていることから、美しさを楽しみつつ資産形成もできる金無垢時計を投資目的で購入する人も増えています。まさに「身に着けられる資産」としての魅力が評価されているのです。

ファッション性が高い
金無垢腕時計は、その美しさからファッションアイテムとしても高い価値を持ちます。

イエローゴールドは華やかで格調高い印象を与え、商談やパーティーといった特別な場面で存在感を放ちます。ホワイトゴールドは都会的で洗練された雰囲気を演出し、現代的なビジネススタイルにもしっくりと馴染みます。ピンクゴールドは温かみと優雅さを兼ね備え、カジュアルな装いにも上品さを添えてくれるのが魅力です。

どのカラーを選んでも、金無垢時計は着用者のファッションセンスを一段引き上げてくれます。さらに、幅広いスタイルに合わせられるため、1本持っていれば多彩なシーンで活躍できる頼もしい存在です。

希少性が高い
金無垢腕時計は、素材コストが高く、製造工程も複雑です。そのため、多くの時計ブランドにおいて、金無垢モデルは限られた数しか製造されません。

特に人気ブランドの代表的なコレクションでは、金無垢仕様は特別なラインとして扱われることが多く、入手困難になることも多くあります。この希少性が、金無垢腕時計の価値を一層高めているのです。

さらに、ヴィンテージモデルや限定版の金無垢時計は、時間が経つほど希少性が増し、コレクターズアイテムとしての魅力も高まります。

長期的に楽しめる
金無垢腕時計は、使い込むほどに独自の風合いが増し、年月とともに愛着が深まっていきます。金は経年変化によって購入時とは異なる落ち着いた輝きを帯び、持ち主だけが味わえる特別な魅力を生み出します。

さらに、適切なメンテナンスを施せば数十年にわたり使用でき、次の世代へ受け継ぐことも可能です。単なる道具にとどまらず、人生を共に歩むパートナーとして長く寄り添える点も、金無垢時計ならではの価値といえるでしょう。

金無垢腕時計の人気モデル
金無垢腕時計には、各ブランドが誇る名作や革新的なモデルが数多く存在します。中でも特に注目度が高く、多くの人から長く支持されている代表的なモデルを厳選して紹介します。

ロレックス コスモグラフ デイトナ (16523)

ロレックスのコスモグラフ デイトナは、世界的に最も知られるクロノグラフの1つです。その名はアメリカ・フロリダ州で開催される「デイトナ24時間レース」に由来し、モータースポーツと深い結びつきを持っています。

コスモグラフ デイトナ (16523)は、18Kイエローゴールドのケースにステンレススチールブレスレットを組み合わせたコンビモデルです。ケース部分に贅沢なゴールドを採用しており、白い文字盤とのコントラストがスポーティーさと上品さを兼ね備えた印象を与えます。

このモデルの魅力は、レーシングクロノグラフとしての高い実用性と、ゴールドならではの高級感が絶妙に調和している点にあります。すでに生産終了となっており、中古市場でのみ流通していますが、希少性の高まりとともに価格も上昇傾向を示しています。

ロレックス コスモグラフ デイトナ (16523)の商品詳細

ロレックス ヨットマスター (126621)

ヨットマスター (126621)は、ロレックスが独自に開発した18ctエバーローズゴールドを採用したモデルです。従来のピンクゴールドが抱えていた「経年による変色」という課題を克服した革新的な合金であり、長い年月を経ても購入時の美しい色合いを保ち続けます。

ケース径は40mmと現代的でスポーティーなサイズ感ながら、ゴールドの素材感が上品さを漂わせます。さらに、ブラウンのサンレイダイアルとの組み合わせは非常に洗練されており、カジュアルからビジネスまで幅広いシーンに対応できるのも魅力です。

ロレックス ヨットマスター (126621)の商品詳細

IWC ポルトギーゼ クロノグラフ (IW371482)

IWCのポルトギーゼ クロノグラフは、1930年代にポルトガルの時計商の依頼を受けて誕生した歴史あるコレクションの現代版です。中でもポルトギーゼ クロノグラフ (IW371482)は、18Kレッドゴールドケースを採用した金無垢モデルで、クラシックな魅力と最新技術が融合した1本といえます。

グレーの文字盤とレッドゴールドケースの組み合わせは非常に上品で、存在感のあるケースサイズながら薄型設計により装着感も快適です。シンプルで視認性の高いダイアルデザインは、ビジネスシーンにも自然に溶け込みます。

ムーブメントにはIWC自社製Cal.89361を搭載し、68時間のパワーリザーブを実現しています。高い精度と信頼性を誇り、実用性と美しさを兼ね備えた完成度の高いモデルです。

IWC ポルトギーゼ クロノグラフ (IW371482)の商品詳細

オーデマ ピゲ ジュール オーデマ (15056OR.OO.A067CR.02)

オーデマ ピゲのジュール オーデマは、創業者の1人ジュール・ルイ・オーデマの名を冠したクラシックなドレスウォッチです。ジュール オーデマ (15056OR.OO.A067CR.02)は、18Kローズゴールドケースを採用した金無垢モデルで、伝統的な手巻きムーブメントを搭載しています。

12時位置に配されたAPロゴの美しさと、ケース全体の洗練されたフォルムが最大の特徴です。39mmという控えめなサイズながら、薄型設計によってエレガントな存在感を放ちます。

搭載されるCal.2120/2800は、オーデマ ピゲの技術力を示す精緻な手巻きムーブメントです。自動巻きにはない巻き上げの感触や、薄型ならではのドレッシーな外観は、機械式時計好きにとって格別の魅力です。クロコダイルレザーストラップとの組み合わせも上品で、フォーマルなシーンにふさわしい1本といえるでしょう。

オーデマ ピゲ ジュール オーデマ (15056OR.OO.A067CR.02)の商品詳細

金無垢腕時計の注意点
金無垢腕時計は、素材の特性ゆえに注意すべき点も少なくありません。購入を検討する際には、あらかじめ注意点を理解しておくことで、長く満足して使い続けられます。

傷がつきやすい
金は比較的柔らかい金属であるため、ステンレスやチタンに比べて表面に傷がつきやすい特徴があります。日常のちょっとした動作や、机にぶつけたりドアノブに触れたりするだけでも細かな傷が増えていきます。特にブレスレット部分は擦れやすく、着脱時の摩擦でも徐々に傷が蓄積します。

また、金は衝撃にも弱く、強い力が加わるとケースのラグ(ストラップ取り付け部)やブレスレットのリンクが変形する恐れがあります。こうした損傷は見た目の劣化だけでなく、時計の機能面に影響を及ぼすこともあります。

さらに、金は熱伝導率が高いため、夏場の直射日光下では表面温度が上がりやすく、肌に触れる部分が熱を持ちすぎて火傷のリスクにつながることもあります。屋外で長時間着用する際には注意が必要です。

重量感があって疲れやすい
金は比重が高いため、金無垢腕時計はかなりの重量があります。同じサイズのステンレスモデルと比べると、2倍以上重くなることも珍しくありません。この重さは最初こそ高級感として魅力的に感じられますが、長時間の着用では手首に負担がかかります。

重量による快適さの感じ方には個人差があるため、普段軽い時計に慣れている人は、購入前に実際に試着して確かめるのがおすすめです。また、ブレスレットタイプよりも革ストラップのほうが総重量を抑えられる場合もあり、選び方次第で負担を軽減できます。

メンテナンスコストが高い
金無垢腕時計のメンテナンスは、一般的なステンレスモデルに比べて高額になる傾向があります。特に、オーバーホール時の部品交換費用は高くなりやすいです。金製の部品は材料費そのものが高いため、修理代も自然と上がります。

また、金は柔らかい金属のため、ポリッシュ(磨き直し)を繰り返すと徐々に素材が薄くなり、最終的には時計の寿命に影響を与える可能性もあります。

加えて、金無垢モデルは生産数が限られているため、交換部品の確保が難しいケースがあります。特にヴィンテージモデルでは部品がすでに製造されておらず、修理自体が困難になるリスクも考慮しなければなりません。

このような理由から、金無垢腕時計を購入する際には、本体価格だけでなく、将来的なメンテナンスや修理体制まで見据えて検討することが重要です。

オリエントスターから、秋の田沢湖をイメージしたM45 F7 メカニカルムーンフェイズ Ref.RK-AY0120Aが登場

今年、オリエントスター(Orient Star)は従来のラインナップを3つのコレクションに分類し、それらをまとめてMコレクションズ(M Collections)と名付けた。Mは星団、星雲を表し、星団すばる、プレアデスを表すM45コレクション、ペルセウスの名を冠したM34コレクション、海神ポセイドンの子であるオリオンからとったM42コレクションが並ぶ。元来オリエントスターは“輝ける星”と呼ばれる機械式時計を作りたいというコンセプトを持っていたが、今回のリニューアルで従来のクラシック、コンテンポラリー、スポーツの3つのコレクションについてより宇宙にフォーカスし、情緒的に表現した形になる。

今回紹介するのは、そのなかでもM45に属するモデルだ。星団すばるをイメージした今年4月リリースの“メカニカルムーンフェイズ M45”と同じ名前を持ち(ブランドとして同モデルを意識したかは聞いてみたいところだ)、伸びやかなラグやローマンインデックスによりフォーマルな美観を表現するコレクションで、現状ではメカニカルムーンフェイズを中心に構成されている。その新作であるM45F7 メカニカルムーンフェイズ Ref.RK-AY0120Aは、工房の位置する秋田県湯沢市、そこにある秋の田沢湖の情景がモチーフとなっている。

夜、月の下で静かに揺蕩う湖面を、オリエントスターは白蝶貝(MOP)と裏打ち塗装により表現した。外周に向かって暗く落ちていくようなグラデーションは、ひっそりとした月明かりをノスタルジックに描いている。ローマンインデックスに12時位置のパワーリザーブ表示、6時位置のムーンフェイズとデイト表示など、要素的な面で変更は見られない。センター部分に見られる、オリエントスターロゴの透かしデザインもしっかり踏襲されている。ストラップは光沢感の強いダークブラウンのワニ革に、プッシュ三つ折式バックルを採用した。

ケース径は41mmで、厚さは13.8mm。ムーブメントには2万1600振動/時で駆動し、約50時間のパワーリザーブを有するCal.F7M65を搭載している。オリエント時計時代から誇る、いわゆる46(ヨンロク)系に属するものだ。その姿はスケルトンバックから確認することができる。

今作は2023年10月に22万円(税込)で発売を予定している。また、国内のみで350本限定での展開となっている。

白蝶貝とグラデーションダイヤルの掛け合わせによる“田沢湖”モデルは、今回が初ではない。2022年秋冬リリースのRef.RK-AY0113Aでは冬も近い晩秋の田沢湖の湖面を、Ref.RK-AY0114Aでは湖面に映る新緑と星空をMOPダイヤル上で表していた。オープンワークが施されておらず、ダイヤルを全面活用できるメカニカルムーンフェイズを下地にしたことで、今作を含むどのモデルもムーンフェイズの月が際立つ非常に趣のある表情に仕上がっている。

しかし、Mコレクションズとして1本目のメカニカルムーンフェイズのリリースにあたり、オリエントスターはもう少しだけロマンチックな表現を行ったように思う。紅葉と月明かりを思わせるダイヤルの中心から、メッキを施したベゼルとリューズ、ダークブラウンのストラップまでを含めた、トータルのグラデーションが実に美しい。同じく秋をテーマとしたRef.RK-AY0113Aでは凛とした静けさや夜の緊張感が強調されていたが、今作はより温かみがある表情になっている。田沢湖をテーマとしたメカニカルムーンフェイズのなかで、高級感を演出するにあたってのアプローチが変わったように見える。

過去2作と同様、Ref.RK-AY0114Aにもプッシュ観音式のバックルとスモールアジャスト機能を搭載したSS製のメタルバンドが付属する。だが、もし僕が実際に身につけるなら、まずはワニ革ストラップのままがいい。せっかく秋夜の田沢湖をそのまま持ち出したような時計なのだから、その情緒を素直に味わってみようと思う。

基本情報
ブランド: オリエントスター(Orient Star)
モデル名: M45 F7 メカニカルムーンフェイズ(F45 F7 Mechanical Moon Phase)
型番: RK-AY0120A

直径: 41mm(ラグからラグまでの長さは47.3mm)
ラグからラグまで: 49mm
厚さ: 13.8mm
ケース素材: ステンレススティール(SUS316L)
文字盤色: ブラウングラデーション
インデックス: ローマンインデックス
夜光: なし
防水性能: 5気圧
耐磁性能: 1種
ストラップ/ブレスレット: プッシュ三つ折式クラスプ付きワニ革ストラップ、プッシュ観音式バックルとスモールアジャスト機能付きSS製メタルバンド

ムーブメント情報
キャリバー: F7M65
機能: 時・分・秒表示、12時位置にパワーリザーブインジケーター、デイト表示とムーンフェイズ
パワーリザーブ: 50時間以上
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻き付き)
振動数: 2万1600振動/時
石数: 22
追加情報: 秒針停止機能付き

価格 & 発売時期
価格: 22万円(税込)
発売時期: 2023年10月発売予定
限定: 国内限定350本

シチズン 原子時計の標準電波を用いた超高精度ムーンフェイズモデル。

これは毎日自動的にムーンフェイズを調整する新しいエコ・ドライブムーブメントだ。

シチズンが、ソーラーウォッチとしては初めてのアナログ式ムーンフェイズキャリバーを搭載した、新しい“ツキヨミ A-T”コレクション発表した。この3つの新作は(10万年に1秒の誤差と言われる)原子時計の標準電波を使ったエコ・ドライブCal.H874を採用する。この新しいムーブメントは、原子時計(の標準電波)を使って毎日表示を調整する正確なムーンフェイズ機能を特徴に持つ。

 同キャリバーは電波を受信した信号に基づいて毎日月の満ち欠けを計算し、6時位置のムーンフェイズ表示が自動的に調整される。また北半球、南半球のどちらから見えているかによって、月の満ち欠けを切り替えることができる“NSシフト”機能も搭載する。この新しいムーンフェイズ機能のほか、シチズンによると同キャリバーの精度は月差±15秒だという。
 エコ・ドライブムーブメントは光を動力源とし、低電力モードだと最長2年半使用できる。Cal.H874は原子時計からの信号を受信するマルチバンド無線受信機能を備えており、原子時計の精度と設定を一定に保つ。原子時計は非常に正確で、原子の共振周波数を監視して時間を測定する。これは原子の電子状態が異なるエネルギー準位を持ち、これらの状態のあいだを遷移するとき、ごく特定の周波数の電磁波と相互作用するためである。原子時計はその精度の高さから衛星ネットワークやGPSに使用され、そして今では新しいツキヨミ A-Tの6時位置にあるアナログ式ムーンフェイズ表示にも使用されている。

 このコレクションは43mm径×10.9mm厚のチタン製ケースおよびチタン製ブレスレットを組み合わせた。シチズンは1970年に最初のチタンウォッチを作ったが、今日ではチタンにデュラクトコーティングを施し表面の耐傷性を高めている。
 ツキヨミ A-Tにはブルー、シルバー、ディープレッドの3種類のダイヤルオプションがあり、最後のディープレッドモデルはブラックDLCコーティングのベゼルが組み合わされている。価格はそれぞれ850ドル(日本円で約12万7000円)だ。

 30年前、シチズンは初のマルチバンド原子時計をリリースしたが、原子時計の歴史はもっと古い。同ブランドのもうひとつの特徴的な技術であるエコ・ドライブと組み合わせることにより、光を追加するだけで究極の精密計時が実現する。原子時計(の標準電波)を使って自動的にムーンフェイズを調整するという新しいムーブメントの開発は、この分野へのシチズンの貢献の最新形である。それ自体が科学の革新であり、それ自身のための精密な計時であり、常に興味深いものなのだ。


基本情報
ブランド: シチズン(Citizen)
モデル名: ツキヨミ A-T(Tsuki-yomi A-T)
型番: BY1010-57L(ブルー)、BY1010-57H(シルバー)、BY1018-55X(ディープレッド)

直径: 43mm
厚さ: 10.9mm
ケース素材: スーパーチタニウム
文字盤: ブルー、シルバー、ディープレッド
夜光: あり、針とインデックス
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: スーパーチタニウム製ブレスレット

ムーブメント情報
キャリバー: エコ・ドライブ H874
機能: 時・分・センターセコンド、日付・曜日表示、ワールドタイム(24タイムゾーン)、永久カレンダー、月齢自動計算機能(ルナプログラム)
パワーリザーブ: エコ・ドライブはフル充電で約2.5年間使用可能
追加情報: シチズンが開発した“ルナプログラム”は、電波発信器の信号から毎日の月の満ち欠けを計算し、自動的に調整する

価格 & 発売時期
価格: 850ドル(日本円で約12万7000円)

グラスヒュッテ・オリジナルは新たなコラボレーションによる3本の新作を発表した。

このコラボレーションは、ドイツ(そしてヨーロッパ)初の磁器メーカーとして1710年に創業したマイセンとのものである。

ご想像のとおり、この新作であるトリオは3種類の新しいポーセリンダイヤルで構成されている。ケースは直径40mmのレッドゴールド製で、厚さは10.23mm、ラグ・トゥ・ラグは47.09mm。3種のダイヤルはいずれも薄いポーセリンの板からつくられ、1400℃というきわめて高い温度で焼成される。釉薬にはホワイトまたはセラドングリーンを使用している。この過程では割れが生じやすいが、無事に焼成を終えたダイヤルには特徴的なローマ数字やレタリングなど、すべての装飾が職人の手作業で1層ずつ描き加える。各層が仕上がるたびにダイヤルは再び高温で焼成し、定着させる。
3本の限定モデルのうち2本は、マイセンのシグネチャーである“ミスティックメゾン”の装飾を採用している。ホワイトまたはセラドングリーンのダイヤル中央に描かれた輪郭の内側に、手描きによる華やかな花のモチーフを配している。それぞれ150本の限定生産だ。そして3本目は最も大胆で、そしてわずか8本限定の最も希少なモデル。ローマ数字は姿を消し、代わりにマイセンのクレーター花瓶“Dekorwelten”に着想を得た、きわめて鮮やかなコラージュが広がる。カラフルな動物、花、果実がセラドングリーンの背景の上に描かれ、すべてが職人の手によって彩色されている。

これら3本の限定モデルはいずれも、グラスヒュッテ・オリジナル自社製の自動巻きCal.36-16を搭載している。現代的な設計のムーブメントで、パワーリザーブは100時間、両方向巻き上げ機構を備え、シリコン製ヒゲゼンマイを採用している。ダイヤルのデザインこそブランドとしてはきわめて異色だが、ムーブメントはクラシックなグラスヒュッテ・オリジナルの真髄と言える仕上がりで、必要なジュネーブストライプ、手彫りのテンプ受け、そして多くの面取りや青焼きのネジがすべて施されている。
セネタ・マイセン エディションは、グラスヒュッテ・オリジナルの全ブティックおよび世界各国の一部正規販売店で取り扱われる予定だ。ミスティックメゾン ダイヤルの2モデルは423万5000円(税込)、コラージュ ダイヤルは3万6400ドル(日本円で約550万円、日本での価格は要問い合わせ)となっている。

我々が知っていること
今年のグラスヒュッテ・オリジナルのラインナップはきわめて強力だと私は感じている。そしてこの3つのモデルは一般向けのアピール力は限定的でありながらも、コラボレーションとして実に興味深く、ふたつの異なるドイツのクラフツマンシップの世界をつなぐ架け橋として理にかなっている。完璧なプリント精度を求める人は、別のモデルを探したほうがいいだろう。これらは、人間の不完全さを楽しむことにすべてがあるのだ。

言うまでもなく、“ミスティックメゾン”装飾を施したホワイトポーセリンダイヤルは、このトリオのなかでも最も控えめな存在だろう。おそらくいずれのモデルもすぐに完売すると予想されるが、なかでもホワイトダイヤルは最も早く姿を消すに違いない。グラスヒュッテ・オリジナルの時計全般に言えることだが、このダイヤルもまた“知る人ぞ知る”という絶妙なさりげなさを備えた仕上がりだ。しかしもしこの3本のうちから1本を選ぶとしたら私は迷わず、自然界の豊かさをそのまま表現したコラージュダイヤルを選ぶだろう。このモデルは、このラインナップのなかで最も突飛なものであり、すでにすべてを持っている人々のコレクションに加わることは間違いない。

基本情報
ブランド: グラスヒュッテ・オリジナル(Glashütte Original)
モデル名: セネタ・マイセン(Senator)
型番: 1-36-16-03-05-01(ホワイトのミスティックメゾン)、1-36-16-02-05-01(セラドングリーンのミスティックメゾン)、1-36-16-01-05-01(コラージュ)

直径: 40mm
厚さ: 10.23mm
ケース素材: レッドゴールド、シースルーバック
文字盤色: ポーセリン
インデックス: 手描き
夜光: なし
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: ダークブルーのルイジアナ・アリゲーター・ストラップ

ムーブメント情報

キャリバー: 36-16
機能: 時・分表示
パワーリザーブ: 100時間
巻き上げ方式: 自動巻き、両方向巻き上げ
振動数: 2万8800振動/時
クロノメーター認定: なし
追加情報: シリコンヒゲゼンマイ

価格&発売時期
価格: ミスティックメゾンダイヤルは423万5000円(税込)、コラージュダイヤルは3万6400ドル(日本円で約550万円、日本での価格は要問い合わせ)
発売時期: グラスヒュッテ・オリジナルブティックおよび一部の正規取扱店にて発売中
限定: あり、ミスティックメゾンは各色150本限定、コラージュは8本限定

ランゲの最も貴重な貴金属ふたつを使用した、各200本限定のサイズアップモデル。

A.ランゲ&ゾーネからリリースされた34mmの1815は、時・分・秒というシンプルな表示ながらWatches & Wondersにおける今年最高の時計のひとつであり、そのサイズにもかかわらず、万人に愛されているようだった。しかしサクソニア・フラッハには長年のファンがおり、より大きなドレスウォッチを求める声もあった。今回発表されたハニーゴールド(HONEYGOLD®)750とプラチナ950の新しいサクソニア・フラッハのペアモデルはどちらもオニキスをあしらった925シルバーダイヤルを備え、このギャップを効果的に埋める、きわめて魅力的なふたつの限定モデルだ。

 直径40mm、厚さ6.2mmの本作に搭載される直径28mmの手巻きCal.L093.1は、ケースバックから見るとやや小さく見える。厚さわずか2.9mmながら、このムーブメントは72時間という驚くべきパワーリザーブを誇り、2万1600振動/時で駆動。21石、3つのねじ留めのゴールドシャトン、耐衝撃性のスクリューテンプ、そして自社製ヒゲゼンマイを備えている。

 このムーブメントは2011年に発表されたもので、これほどのパワーリザーブと信頼性が証明されているため、その成功に代わるものや改善する必要はまったくない。そしてご覧のとおり、時計は信じられないほど薄いままなのである。



 新しいサクソニア・フラッハのモデルはどちらも素晴らしい。ハニーゴールドのケースは常にコレクターにとって魅力的な選択肢であり、ブラックオニキスをあしらったシルバーダイヤルとの組み合わせはさらに魅力を高めている。プラチナとオニキスの組み合わせもまた、ホワイトメタルの選択肢を好む人にとっては堅実な選択だ。どちらの時計も200本限定で、価格は4万5000ユーロ前後(日本円で800万円前後、日本での価格は要問い合わせ)だ。


我々の考え
興味深いことに、優れたブラックダイヤルとゴールドケースのドレスウォッチは市場にほとんど出回っていない。特に、ほとんどのコレクターが、それがヴィンテージウォッチにおける究極の組み合わせだと語ることを考えればなおさらだ。現代の文脈では重厚すぎるかもしれないが、ハニーゴールドとオニキスストーンの組み合わせは本当に素晴らしい。ランゲのプロダクト・ディベロップメント・ディレクターであるアントニー・デハス(Anthony De Haas)氏は、オニキスダイヤルとあらゆるケース素材の組み合わせを試した結果、このふたつに落ち着いたと私に語った。ホワイトゴールドはこの特別感を出すには物足りず、A.ランゲ&ゾーネは以前にもホワイトゴールドのサクソニアにブラックダイヤルを組み合わせたモデルを製造している。しかしハニーゴールドとプラチナはテストでうまく機能した。ハニーゴールドのケースとブラックダイヤルはケースの色をよりホワイト寄りに押し出すが、それでもわずかにイエローとローズの色合いを保っている。

ハニーゴールドバージョン。

プラチナバージョン。

 しかしながらハニーゴールドの魅力のひとつは、ブランドがこの素材をめったに使わないことだ。最近では、ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”や、オデュッセウス ハニーゴールドなど近年勢いを増しているように見えるが、デハス氏は使いすぎを心配する必要はないと私に語った。ハニーゴールドは加工がきわめて難しいため、オデュッセウス ハニーゴールドのブレスレットの課題はさておき、製造できるケースの数には限界があるのだ。彼らはまた、この素材の美しさの一部が光によって色合いが変化するだけでなく、その希少性にあることを理解している。今後、この素材がこれほど頻繁に使われることを期待すべきではないが、今あるうちに楽しむことはできるだろう。

基本情報
ブランド: A.ランゲ&ゾーネ(A. Lange Söhne)
モデル名: サクソニア・フラッハ(Saxonia Thin)
型番: 211.052, 211.062

直径: 40mm
厚さ: 6.2mm
ケース素材: ハニーゴールド(HONEYGOLD®)750とプラチナ950
文字盤色: 925シルバー、ブラックオニキス張り
インデックス: ゴールド750、ロジウム仕上げ
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ブラックでグロッシーなアリゲーターレザーストラップ、ケースと同素材のピンバックル


ムーブメント情報
キャリバー: L093.1
機能: 時・分表示
直径: 28mm
厚さ: 2.9mm
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 21
クロノメーター認定: なし
追加情報: 未処理のジャーマンシルバー製プレートとブリッジ、手彫りのテンプ受け

価格&発売時期
価格: 約4万5000ユーロ(日本円で約800万円、日本での価格は要問い合わせ)
発売時期: 発売中
限定: あり、各200本限定

パテック フィリップのリファレンス3970に注目すべき理由。

サラブレッドのDNAを持ちながら、最初の1歩を踏み出せなかった。それは変えるべきだろうか?

パテック フィリップのリファレンス3970を初めて見たときのことは覚えていないが、最初に見たある時計のことは覚えており、かなり印象に残っている。それは2014年、わたしがサザビーズのカタログ係からアソシエイト・スペシャリストへと昇進したばかりだったときのこと。過去に仕事をしたことのあるクライアントで、小さな作品をいくつか委託していた人がいた。いつも気さくで温厚な彼がある日わたしに、イエローゴールドの3970Eを委託する準備ができたと連絡をくれた。わたしは緊張しつつもコンプ(類似モデル)を探し、6万ドルから8万ドル(当時の相場で約635万~850万円)というエスティメートを出した。オークションは間もなく始まったが、わたしの期待を裏切るように、この時計に興味を示す人はほとんどいなかった。オークション前夜、わたしは必死で委託者に電話し、入札が活発になるようにリザーブを下げたが、言うまでもなく彼は不機嫌だったし、わたしはきつい小言をもらった(オークションハウスでの生活なんてそんなもの)。この時計は結局6万8000ドル(当時の相場で約720万円)で落札されたが、委託者、そしてわたし自身もがっかりした。今でも3970と聞くとこのエピソードがフラッシュバックする。時計への愛が冷めたわけではないだろうに、3970はどうしたのだろう、なぜ誰も気にしていないのだろう? と、いつも不思議に思っていた。


パテック フィリップ Ref.3970。

 わたしにとって、その魅力は常にそこにあった。パテック フィリップ最後の偉大なデザインのひとつとされ、かなり複雑な作品である。美しく、サイズ感もよく、ムーブメントもいい。コレクターズウォッチとしてすべての要素を備えているのだが、なぜか結果はいつも少し控えめで、やや冴えない。そこでわたしはこの時計を真に理解し、その本質を見極めることにした。さっそく見ていこう。

まずリファレンス3970とは?
 リファレンス3970は1986年に誕生した(自分で言うのもなんだが、いい生まれ年だ)。1980年代は機械式時計にとって奇妙な時代だったことを忘れてはならない。クォーツムーブメントが状況を一変させ、人々はコンプリケーションウォッチに見向きもしなくなったのだ。実際、クロノグラフでさえまったくもって人気がなかった。そのため、1986年にパーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ 3970が発売されたとき、リテーラーは簡単には動かなかった。クリスティーズの時計部門責任者で、パテック フィリップのあらゆる権威であるジョン・リアドン氏(彼は文字どおり、数冊の本を執筆している)によると、リテーラーは売るのが難しすぎたために、パテックを引き取りたがらなかったというのだ。しかし、これらの時計の人気と価格について説明する前に、3970が実際にどのようなものであるかを知る必要がある。

3970はパーペチュアルカレンダー機能のついたクロノグラフで、1951年から1986年まで生産されたアイコニックな2499の後継機である。それ以前は、Ref.1518がパテックの“永久カレンダー・クロノ”の称号を占めていた。実際、1518は全体的に見て初めて連続生産されたパーペチュアル・カレンダー・クロノグラフであり(詳細はこちら)、20世紀時計製造の真のアイコンである。

 3970はホワイトゴールド、イエローゴールド、ローズゴールド、そしてプラチナで生産された。ケース自体のサイズは36mmで、2499よりも1.5mm小さい。ダウンサイジングはパテックにとって興味深い選択だった。うるう年表示とクロノグラフ30分積算計(3時位置)、ムーンフェイズと日付表示(6時位置)、クロノグラフ12時間積算計とランニングセコンド(9時位置)という3つのインダイヤルを備えた、伝統的なダイヤルディスプレイが特徴的だ。12時位置には曜日・月のふたつの開口部があり、伝統的な丸いクロノグラフプッシャーがリューズに隣接している。全体的に見てもパテック フィリップらしく、1518や2499など、いずれも聖杯の域に達したネオ・ヴィンテージ時代の傑作のあとにリリースされるモダンな作品として、ブランドの過渡期を表している。なお、2499/100は1980年代に入っても生産されていたので、3970はそのリファレンスに近い素晴らしい後継モデルだった。


左から、初のパーペチュアルカレンダー・クロノグラフのRG、SS、YG製のパテック フィリップ Ref.1518。

 3970の中心にあるのはムーブメント、すなわちCal.CH 27-70 Qである。このキャリバーはパテックがクロノグラフで使用した最初の非バルジュベースのムーブメントであった。このキャリバーは、初期のオメガ スピードマスターに搭載されていたCal.321のベースにもなった、レマニア2310をベースにしている。約60時間のパワーリザーブを確保した手巻きムーブメントで、後の5970、5004(ラトラパンテ機能追加)でも採用されている。3970の全系譜で採用され続けた美しくも信頼性の高いムーブメントであり、現代においてもヴァシュロン コルヌ・ドゥ・ヴァッシュのようないくつかの特別モデルに搭載されている。このキャリバーの仕上げは素晴らしく、もちろんすべて手作業で行われている。CH 27-70 Qは製造当時、世界で最も優れたムーブメントのひとつであり、まさにジュネーブの流儀を体現していた。


Cal.CH 27-70 Q。

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第1、2、3、4世代
 先述したように、3970は1986年に誕生し、2004年まで生産されていたが、これは現代のパテックのリファレンスとしては決して短くはない期間である。これは4つの世代で分類され、それぞれ少しずつ異なり、またあるものはほかのものより希少である。変更されるディテールはすべて素晴らしく、針、インデックス、および裏蓋で確認できる。

第1世代(1986年)

アンティコルム オークション 2015にかけられた、パテック フィリップ初となるリファレンス 3970。Photo: courtesy of Antiquorum

 第1世代はわずか100本しか作られておらず(3971を除いて)、シリーズのなかで最も希少なモデルである。第1世代は、シルバーのダイヤル、フィーユ (英語でリーフ)針、バーインデックス、そして少し色の違うインダイヤルによって定義される。さらにこの個体はスナップ式のケースバックを備え、すべてYG製、しかもすべて1986年にのみ製造された。さらにブレスレット(うっとりするね)がセットされたものも見つけることができ、それらについてはリファレンスのうしろに“-1”が付く。これは3970および3971の両方に当てはまる。

リファレンス3971(1986年)

レジナルド“ピート”フラートンが所有していたパテック フィリップ 3971。


3971と3970の明確な違いである、スナップ式のシースルーバック。

 1986年に3970と並んで生まれたもうひとつのリファレンスが、3971である。このリファレンスはフィーユ針、バーインデックス、異なる色のインダイヤルを備えた第1世代の3970とまったく同じ仕様だが、同リファレンスにはスナップ式のサファイアクリスタルバックがあった。このモデルは第1世代、第2世代と並行して生産されたが、後に生産終了となった。Ref.3971の製造本数は300本にも満たないという超レアなリファレンスだ。だがスナップ式のサファイアクリスタルバックを欲しがる人を、本当に責めることはできないだろう?


3971のカタログ。

第2世代(1987~1990年)

色が統一されたダイヤル&インダイヤルに、バーインデックス(わたしのお気に入り)、フィーユ針を備えた第2世代の3970ER。ケースバックはネジ込み式だ。

 第2世代は1986年から1991年までYG、RG、WGで製造され、またプラチナでも少量だが生産された。厳密には、ネジ止め式の頑丈なケースバックから3970E(Eはétancheの略、防水の意)として知られている。全部で約650本(3970と3971)作られたが、なかでもWG製は最も希少である(現在知られているのは6本だけだ)。第1世代との差別化は、インダイヤルが文字盤と同色であることと、ケースバックがネジ止め式のソリッドバックであることの2点である。クライアントがサファイアのネジ込み式シースルーバックを追加注文できるオプションもあったが、これは希だ。フィーユ針とバーインデックスに変更はなく、また1990年まではケースが手作業で仕上げられていたため、第1、第2世代がコレクションとしての価値が高いことは覚えておく必要がある。


ネジ込み式の裏蓋を備えた、第2世代の3970EP。

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第3世代(1990~1995年)

砲弾型インデックスとバトン針を備えた、第3世代の3970。

 第3世代の3970は、生産数がやや多くなり始めた時期である。1989年から1995年頃までに全4種の金属で作られ、総生産数は約1350本だ。ここでの大きな違いは、ソリッドケースとサファイアクリスタル製のスクリューバックケース、先のとがった砲弾型インデックス、そしてリーフ針の代わりにバトン針が採用されたことである。また文字盤も明るいシルバーになり、プリントがより重く、鮮明な仕上がりになっている。これは最もありふれた3970であるためいちばん手ごろで、第4世代とも並行して生産されていた。

第4世代(1995~2004年)
 最終シリーズとなる第4世代は、1994年から2004年頃まで生産されていたもので、第3世代とまったく同じだが、シリアルナンバーのレンジが新しくなり、Dバックルクラスプがセットされた。およそ2000本が作られ、4種類の金属すべてが使用された。最後の生産であり、コレクターもあまりいないモデルだ。


これは2002年製第4世代の3970EPで、基本的には第3世代と同じ、尖ったバトン針とインデックス、ネジ込み式のサファイア製シースルーバックを備えている。


ネジ込み式のサファイア製シースルーバックからは、Cal.CH 27-70 Qが鑑賞できる。

 3970は20年以上にわたって生産され、そのライフサイクルが終わるまでに複雑なリファレンスのひとつであり続けた。このリファレンスは、クッション型ケースにQP(パーペチュアルカレンダー)クロノグラフというコンプリケーションを搭載したRef.5020により途絶えた(わたしの好みではなかったし、ほかの誰の好みでもなかった)。3970は最終的に2004年に5970、そして2011年には5270へと続いた。もちろん、5970は3970とまったく同じキャリバーを使用しているが、刷新されたケースサイズとクリーンなダイヤルは、限られた生産量と相まって、ほとんどのコレクターにとってはるかに魅力的な時計として映っている。

3970はコレクターズアイテムなのか?
 さて、この記事を執筆しようと思ったとき、この時計が次に収集すべき時計であるという非常識な発見に出くわすだろうと確信していた。しかし、この時計について長い時間をかけてみると、この時計の素晴らしさはスーパースターのような地位にあることではないことに気づいた。実際はその逆だ。平均的な3970の価格は、素材や世代によって7万ドルから20万ドル(当時の相場で約775万~2210万円)程度であるが、ユニークピースは依然として最も収集価値が高い。ここでは、そのハイライトをいくつか紹介する。

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スペシャルな3970たち
 ヴィンテージウォッチで忘れてはならないのは、特別なダイヤルや構成があれば、いつでも価値が上がるということ(そう、当たり前なことだが、あえて言う必要がある)。これは3970でも同様で、さまざまなバリエーションが存在する。最近、オークションに出品されたもののなかには、ブラックダイヤルにブレゲ数字(何と名付ける?)の構成を持つプラチナ製3970がある。この時計は“おそらくユニークピース”(みんなそうだろうが) で、またタキメータースケールが加えられている(ここにエリック・ウインドが叫んでいる絵文字が入る)。この時計は20万から40万スイスフラン(当時の相場で約2260万~4520万円)で落札されると予測され、今月後半にフィリップスでオークションにかけられる予定だ(編集追記:結果は34万8500スイスフラン、当時の相場で約3940万円にて落札)。


おそらく唯一無二のパテック フィリップ 3970P。

 上の時計に似ているのは、WGにサーモンダイヤル、ブレゲ数字、タキメータースケールが描かれたエリック・クラプトンの3970である。クラプトンのものであること、ブレゲ数字をあしらったユニークなサーモンダイヤルであることなど、明らかにこの時計には重要なポイントが詰まっている。この時計の最も興味深い点は、同じオークションで販売されたクラプトンの5004を5万ドル上回り、3970が45万9000ドル(当時の相場で約5000万円)、5004が40万5000ドル(当時の相場で約4410万円)で販売されたことである。この時計の詳細はこちらを参照して欲しい。


エリック・クラプトンが所有していた3970。Image: courtesy of Phillips

 また、2015年のアンティコルムで20万スイスフラン(当時の相場で約2520万円)以上の値をつけた、史上初めてのパテック フィリップ 3970も公に販売された。もちろん、このような斬新なモデルとしてはかなり魅力的な価格ではあるが、最初の世代がYGであるため、例えばフィリップスで発売されるスペシャルダイヤルを持つプラチナ製3970に比べると、この価格は弱い。変わったダイヤルが最初のシリアルナンバーのようなものに勝るのは明らかだが、それでもあまり強力ではない。スペシャルダイヤルは常に最も望ましいものであるが、希少な製品である3970には、ある種固有のクールさと望ましさがあると言いたい。特殊なダイヤルは、特別であるために大物から依頼されているのだ。スナップバックを備えた初期の3970は、信じられないほど希少で特別な時計であり、わずか100本しか製造されなかった。また本当のヴィンテージ感があり、比較的高価ではない。それならWGでできた第2世代の時計があるので、探してみて。本当だ。