大塚ローテックが手がける最新作は、ワンダリングアワー機構を搭載した2025年新作モデルが登場

独立系時計ブランドは近年その存在感を強めていますが、日本発ブランドとして今最も注目を集めているのは、カーデザイナーを務めたのちプロダクトデザイナーとして独立した片山次朗氏による大塚ローテックの名を挙げる方も多いのではないでしょうか。昨年のGPHG2024では、ダブルレトログラードを搭載した6号でチャレンジウォッチ賞を受賞。また、オークションハウスのフィリップスが日本をテーマに開催したTOKI-刻-オークションでは、チャリティーとして出品されたユニークピースの6号 東雲 “SHINONOME”が約1100万円で落札されるなど、その勢いはとどまるところを知りません。

大塚ローテック 5号改
スーパーコピーn級品 代引きそんな大塚ローテックから2025年の新作モデルとして発表されたのが5号改です。同ブランドの時計といえば、6号で採用されたダブルレトログラードや、7.5号に搭載されたジャンピングアワー機構など、時分針を使った一般的なやり方ではなく独特な時刻表示が特徴。本作も例外ではなく、大塚ローテックとして初めてワンダリングアワー機構が採用されました。

ワンダリングアワー、別名サテライトアワーとも呼ばれるこの機構は、回転する数字盤と固定された目盛りを組み合わせて時間を表示する独特な仕組みです。一見その仕組みが分かりづらいかもしれませんが、一度その動作原理を理解すると、時刻表示が非常に直感的で効率的であることに気づくと思います。
時間と分をひとつのインジケーターで表現するこの方式は、視覚的にもユニークで、スイスの時計ブランドでもこの表示方式を採用しているモデルがあります。例えば、記憶に新しいモデルとしては、オーデマ ピゲのCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ スターホイールやウルベルクのUR-100などです。

片山氏は、ワンダリングアワー機構を独自開発のモジュールをミヨタ製ムーブメントに組み込むことで実現しました。ワンダリングアワー機構は、見た目は複雑な仕組みに見えるものの、実際には非常に静的なメカニズムです。リューズで時刻を合わせたり、早送りされた動画ではディスクが次々と勢いよく回転する様子が確認できますが、通常の動作時にはそこまで派手な動きになりません。

しかし、5号改では、8時位置に配置されたローラーに時ディスクが直接当たる仕組みを採用することで、時ディスクが1時間に2回、瞬時に切り替わるダイナミックな動作を実現しています。この工夫により、メカニズムの動きを視覚的に楽しめるだけでなく、ジャンピングアワーのような時間の切り替わりを体感できる設計となっています。さらに、5時位置に配置された秒ディスクは、時ディスクの位置に影響されることなく常に動き続け、その一貫した動作を視覚的に楽しむことができます。

モデル名に5号“改”とあることからも分かるように、このモデルにはオリジナルである5号が存在します。2012年に登場した5号は、レギュレーターによる独特な時刻表示と日付表示機構を備えたモデルでした。興味深い点は、機構が異なるにもかかわらず5号の名を受け継いでいることです。これは、大塚ローテックがモデル名を決定する際に、デザイナーである片山氏が手掛けたケースデザインの順番を基準としているためです。

5号改のケースデザインは、オリジナルの5号をもとにリファインされています。また、両モデルにはいくつかの共通点も存在します。そのひとつが、どちらも2個のボールベアリングが正面から見える形で採用されている点です。そもそも片山氏にとってボールベアリングは、子供の頃に夢中になっていたラジコンの憧れのチューンナップパーツだったそうです。通常、腕時計のムーブメントの軸受けには赤い人工ルビーが使用されますが、片山氏は高精度の象徴として感じていたボールベアリングを敢えて視覚的に楽しめる位置に採用しようとオリジナルの5号を作ったのだと言います。

5号改には、ミネベアミツミ社による日本製の高精度ボールベアリングが搭載されており、そのうち時ディスク切り替え用には、このモデルのために特別に製作されたもの。さらに、秒ディスクの中心に使用されているボールベアリングは2015年に発表されたもので、2025年現在でも世界最小とされる直径わずか1.5mmの精密パーツです。

5号改の価格は税込みで74万8000円。大塚ローテックがこれまで販売してきたモデルのなかでは最も高額なモデルですが、同じ機構を備えた他ブランドのモデルを考えると競争力のある価格と言えます。2025年3月に抽選販売される予定で、他のモデルと同様に日本からのみ購入が可能となっています。

実は、以前に取材で東京・大塚にある片山氏の工房を訪れた際、この時計のプロトタイプを目にする機会がありました。その時、真っ先に感じたのは、「なんて片山さんらしい遊び心あふれるデザインなんだろう」ということです。ワンダリングアワー機構の起源は17世紀に遡ります。もともとはナイトクロック用に開発されたこの機構は、ローマの時計師カンパーニ兄弟がローマ法王のために設計したものがその始まりとされています。歴史のあるクラシックな機構ですが、片山氏の計器を連想させるようなデザインが落とし込まれた5号改は、まったく異なる印象を与えます。

デザイン上で興味深い点は、多くのワンダリングアワー機構を搭載したモデルでミニッツトラックは文字盤の上部または下部に配置されているのに対し、5号改ではそれが右端にデザインされていること。この工夫により、左手首に時計を装着した際、袖口で文字盤の一部が隠れてしまっても、時間表示部分がしっかり視認できるよう配慮されています。ケース径40.5mm、厚さは風防込みで12.2mmと決して小さな時計ではありませんが、視覚的な独自性と実用性を両立させた、5号改ならではの設計となっています。

そして、5号改では時ディスクが指し示す分表示のずれ(バックラッシュ)を防ぐために薄く加工した歯車を2枚重ね、それらをバネで支える構造を採用しています。片山氏のデザイン哲学が詰め込まれた5号改は、視覚的な面白さと実用性を兼ね備えた、まさに信頼できる計器のような時計です。

このモデルが誕生した背景には、大塚ローテックが浅岡肇氏率いる東京時計精密との提携を果たしたことが大きく関わっているようにも感じました。提携によって製造本数の増加が実現しただけでなく、片山氏がこれまで多くの時間を費やしていたネジの旋盤加工といった作業から解放されたことで、新たなクリエーションに集中する時間が生まれたと伺っています。

さらに、今回のモデルで重要な役割を果たしているボールベアリングの採用にも、この提携が一役買っています。浅岡氏がプロジェクトTでミネベアミツミ製のボールベアリングを採用していた経緯があり、そこからのつながりで今回の採用が実現したのだそうです。提携による時間の確保と新しい技術の導入機会が、このモデルの実現に繋がった重要な要素でしょう。
なお、新作の5号改は、2月6日(木)から2月12日(水)まで、10時から19時50分のあいだ、WITH HARAJUKU 1Fエントランスで実機が展示される予定です。大塚ローテックは、現在ブティックなどはなくオンラインでの販売のみのため、その魅力を実際に確認したい方はこの期間に訪れてみてはいかがでしょうか。

基本情報
ブランド: 大塚ローテック(Otsuka Lotec)
モデル名: 5号改(No.5 KAI)

直径: 40.5mm
厚さ: 7.6mm(風防込ケース厚:12.2mm)
ケース素材: ステンレススティール
夜光: なし
防水性能: 日常生活防水
ストラップ/ブレスレット: カーフレザー

ユニクロ:2025年秋冬コレクションが登場。

ユニクロ:シー25年秋冬メンズはこちらをチェック

機能性素材でつくるテーラリング

2025年秋冬シーズンは、機能性素材を活かしたエレガントなテーラリングアイテムを提案。フォーマルなエレガンスとカジュアルな快適さを融合させ、オールシーズン着用できるモダンなウェアを幅広く展開する。

<第1弾>晩夏から秋冬まで快適に
コットンコクーンシャツ 3,990円
第1弾として先行発売されるウィメンズアイテムは、晩夏から秋冬まで長いシーズンで着用できるのが魅力。中でも注目は、ふんわりとしたバルーンシルエットが上品さを演出するコットンコクーンシャツ。ボリュームのある袖は、コーディネートにアクセントを添えてくれること間違いなしだ。

ディオール スーパーコピースウェット風のセーターには新色が仲間入り
スムースコットンクルーネックセーター 3,990円
やわらかく肌触りの良いコットン100%素材のクルーネックセーターは、スウェットのように見える遊び心溢れるデザイン。スウェットやデニムとあわせて、さらっとカジュアルに着こなせる。2025年秋冬は、レッドやオレンジ、グリーンなど、豊富なカラーバリエーションで展開される。

ミディ丈のキュロット
キュロット丈短め 3,990円
2WAYストレッチ機能を持つ素材で着心地も抜群なキュロットは、短めクロップド丈が新鮮。ワイドな裾幅となっており、スカート感覚で履けるのがポイントだ。

<第2弾>上質素材のアウターが勢揃い
ツイードテーラードジャケット 9,990円
第2弾では、機能性素材を採用したアウターや、上質なカシミヤニットなど、素材や機能性の高さを実感できるアイテムがラインナップ。たとえば、あたたかみのあるウールブレンド素材を用いたツイードテーラードジャケット。肩パッド入りで、本格的に仕立てられている。

アシンメトリーなペプラムスコート
フレアスコート 3,990円
ツイードテーラードジャケットとあわせてスタイリングするなら、同様の素材を使用したフレアスコートがおすすめ。アシンメトリーなペプラムデザインが目を惹く1着だ。パンツ型ライニング付きなので、安心して着用できる。

すっきりIラインシルエットのロングコート
ダブルロングコート 12,900円
ダブルロングコートは、すっきりとしたIラインシルエットが特徴。ダブルブレストや内ポケットなど、本格仕様のコートとなっている。左右どちらにもボタンホールを配したジェンダーレスアイテムだ。

天然羽毛を再現した"機能性中綿"を使用した機能性素材「パフテック」のジャケットも。手洗いOKな「パフテック」は、ダウンと同等の保温性を備えているのがグッド。ふわふわのフリース襟を配したマット素材のジャケットで、厳しい寒さも平気で乗り越えられそう。

“重ねてもかわいい”ワッフルニットベスト&セーター
ワッフルニットフーデッドベスト 3,990円、ワッフルニットクルーネックカーディガン 4,990円
ふくらみのあるワッフルの編み地がポイントのフーデッドベストとクルーネックカーディガンは、重ねて着こなすのがおすすめ。ベストを下に着て、フードだけ出したスタイリングを楽しんで。

ヒートテックカシミヤ&スカーフ付きセーターなど
カシミヤリラックスVネックセータースカーフつき 14,900円
軽くて暖かく、極上な肌触りのカシミヤ100%のアイテムも豊富。シアーなのに暖かい極暖ヒートテックカシミヤのトップスや、取り外し可能なスカーフ付きで、1枚でも着やすいよう小さめVネックで仕上げたセーターなどが揃う。

“クリーンもカジュアルもOK”フレアパンツ
フレアパンツ 5,990円
足元にフレアパンツをあわせれば、よりエレガントなルックに。ダブルブレストのテーラードジャケットと合わせればクリーンに、Tシャツやゆったりとしたトレーナーなどと合わせれば、カジュアルな印象に仕上がる。

パフィーバッグやベルトなどアクセサリー
ソフトパフィーショルダーバッグ 2,990円
※ネイビーの日本展開なし。
ちょっとした旅行にも最適な大容量パフィーショルダーバッグや、レザーベルトなど、アクセサリー類も用意。加えて、レースアップシューズやTストラップバレエシューズといったレザーシューズも豊富に揃うので、トータルコーディネートを楽しんでみて。

【詳細】
ユニクロ:シー 2025年秋冬コレクション〈ウィメンズ〉
第1弾発売日:2025年7月18日(金)~順次
第2弾発売日:9月5日(金)
販売場所:フルラインナップ 店舗、ユニクロオンラインストア予定
※一部商品を国内全店舗で展開。
商品ラインナップ:ウィメンズ 22アイテム 、メンズ 15アイテム 、アクセサリー 8アイテム
価格帯:
・アウター 7,990円~12,900円
・スカート&パンツ 3,990円~5,990円
・シャツ 3,990円
・ニット 3,990円~14,900円
・インナー 2,290円
・ドレス 4,990円~5,990円
・バッグ&シューズ&ベルト 2,990円~5,990円

G-SHOCK 新たな機能やシェイプの提案があるたびにさまざまなモデルが誕生してきた。

G-SHOCKにおいて“定番”として位置付けられ、大きく形状を変えず長く製造され続けてきたシリーズがある。ORIGINの血を色濃く受け継ぐ“5000/5600”、3つ目のインジケーターを持つラウンドフォルムの“6900”、ビッグフェイスにデジアナ表示を備えた“110”、特徴的なオクタゴンベゼルの“2100”。これら5つのシリーズはIconic Stylesと呼ばれ、ブランドを象徴する存在として重要な役割を担っている。

そして今年、6900シリーズが周年を迎える。25周年の際には偏光グラデーション蒸着のガラスにスケルトンケースを備えたスペシャルなモデルがリリースされていたが、30周年の節目に登場したのは同シリーズのルーツも感じさせる3色のアニバーサリーウォッチだ。

G-SHOCKにおいて初めて3つ目のインジケーター(トリグラフ)を導入した1992年のDW-5900C-1、印象的なフロントボタンで好評を得ていた1994年のDW-6600-1Vのエッセンスを受け継ぐ形で、1995年2月に6900シリーズの1作目であるDW-6900-1Vは誕生した。その同年、スラッシャーモデルと呼ばれるブラック・イエロー・レッドの3色で構成されたDW-6900Hが登場。本作のカラーバリエーションは、このDW-6900Hをかなり忠実に再現している(当時ELバックライトを意味していたFOX FIREの文字こそないが)。当時6900シリーズを愛用していた人々からすると、うれしい仕様ではないだろうか。

一方で現代的な変更が見られる箇所もある。それがベゼル・バンドへのバイオマスプラスティックの採用と、6900のデザインアイコンであるフロントボタンのメタル化だ。前者は昨年12月のDW-5000R(DW-5000Cの復刻)の際にもあったアップデートで、環境負荷の低減を掲げる昨今のG-SHOCKにおいては欠かせない。後者はエリックヘイズコラボをはじめとした過去の6900シリーズでも見られたもので、ミラー仕上げの素材表面に刻まれた力強い“G”マークが抜群の存在感を放っている。

1995年に登場したDW-6900H-9。当時のスポーツカルチャーの象徴的存在であった若者“スラッシャー”を意識して、樹脂製のストラップには“G-SHOCK is dedicated to the soulfootinmotion(このG-SHOCKをスラッシャーに捧げる)”とプリントされていた。

機能面では、20気圧防水に加えて100分の1秒ストップウォッチ、タイマー、マルチアラーム、報音フラッシュ機能、LEDバックライト(フロントボタンで点灯)を装備。価格はいずれも1万6500円(税込)で、2025年2月の発売を予定している。

僕は残念ながら、6900シリーズが巻き起こした熱狂にリアルタイムで触れた世代ではない。しかしストリートで広く受け入れられ、世界的なビッグネームとコラボレーションを繰り返してきたのをひとりのG-SHOCKファンとして興味深く見てきた。そんなG-SHOCKを象徴するシリーズの原点を再現し、リファインしたモデルを30周年という節目に手にできるというのは感慨深い。かつて2009年にもスラッシャーモデルをアレンジしたGW-6900A-9がリリースされていたが、3色ともに揃うのは初めてではないだろうか?

Iconic Stylesの30周年ということもあり、バックライトを点灯した際に浮かび上がる“SINCE 1995”の文字、ケースバックに刻まれた30個の星などアニバーサリーイヤーを飾るデザインも落とし込まれている。しかしそのどちらも、通常使用しているなかで表に出てくるものではない。周年モデルでありながら、オリジナルのデザインを楽しみたいというファンの期待に応える気の利いた仕様だ(個人的には、SINCE 1995のフォントにも30年前の雰囲気を感じている)。

2025年にはこの後も6900シリーズのリリースが続くと踏んでいる。しかし、このリリースは周年のスタートとして素晴らしい。レギュラーモデルから逸脱しない価格帯もあり、6900シリーズのルーツを表現しながら既存ファンから新規層にまで幅広くアプローチするモデルとなるだろう。

しかしDW-5000R、ORIGINのカラーリングを踏襲したIconic Stylesに続くG-SHOCKの原点にフォーカスする流れは今後も続くのだろうか? G-SHOCKは2023年に40周年を迎えたブランドだ。もしかしたら、ユーザーの世代交代も意識した動きなのかもしれない。その答え合わせは今年15周年を迎える110シリーズでなされるかもしれないが、とりあえず今はこの目の前のモデルを存分に楽しみたいと思う。(まだ手にできていないが)DW-5000Rとともにコレクションに加える予定だ。

基本情報
ブランド: G-SHOCK
モデル名: 6900シリーズ30周年記念モデル
型番:DW-6900TR-1JR(ブラック)/DW-6900TR-4JR(レッド)/DW-6900TR-9JR(イエロー)

直径: 50mm
厚さ: 18.7mm
ケース素材: バイオマスプラスチック
文字盤色: ブラック
夜光: LEDバックライト(スーパーイルミネーター)
防水性能: 20気圧
ストラップ/ブレスレット:バイオマスプラスチック
追加情報: 100分の1秒ストップウォッチ、タイマー、マルチアラーム、報音フラッシュ機能

伝説的レーシングドライバー、ハーレイ・ヘイウッドの時計コレクション

モーターレース、特に耐久レースが好きなら、ハーレイ・ヘイウッド(Hurley Haywood)氏についてくどくど紹介する必要はないだろう。シカゴ生まれのこのレーシングドライバーは、デイトナ24時間レースで5勝、セブリング12時間レースで総合優勝2回、ル・マン24時間レースで3勝を挙げるなど、レーサー志望なら誰もが憧れるようなキャリアを歩んできた。つまり、“耐久レースの三冠”のうちふたつを制したことになる。しかもこれは彼のキャリアのほんのハイライトに過ぎない。ヘイウッドはロードレース界のレジェンドであり、耐久レースの世界で重要なふたつのブランド、ポルシェとロレックスとのパートナーシップを50年にわたり享受してきた。

フロリダ州ジャクソンビルにあるブルーモスコレクションの本拠地で、ハーレイ・ヘイウッド氏に話を聞いた。緑豊かな低地の森にひっそりと佇むブルーモスコレクションは、約3万5000平方フィート(約3252㎡)の博物館で、実際に稼働する施設でもある。1959年にポルシェの輸入を開始したブランデージ・モーターズの歴史を紹介する施設だ。1960年代半ば、レーシングドライバーのピーター・グレッグ(Peter Gregg)がブルーモスの事業とブルーモス・レーシングチームを引き継いだ。60年代後半、グレッグはオートクロスイベントでヘイウッド氏と出会い、そこでヘイウッドが勝利を収めた。その走りに感銘を受けたグレッグは、ヘイウッド氏に次のレースへの出場枠を提供し、これがヘイウッド氏のレーシングキャリアの始まりとなった。ふたりは1973年、きわめて過酷なデイトナ24時間レースでブルーモスチーム初の勝利を手にする。

ブルーモス・レーシングのポルシェ911 カレラRSRを駆り、ピーター・グレッグとともに1973年のデイトナ24時間レースを制したヘイウッド氏。

ハーレイ氏は2012年にプロレースから引退し、トランスAMとSuperCarのタイトル、3度のノレルコ・カップ・チャンピオンシップ、インディカーでの18戦出走など、上記のような輝かしい勝利とともにキャリアを閉じた。ベトナム戦争への従軍やLGBTQコミュニティの支援活動など、彼の驚くべき人生についてさらに詳しく知りたい方は、パトリック・デンプシー(Patrick Dempsey)がプロデュースしたハーレイの人生を紹介する2019年の映画『Hurley』をぜひご覧いただきたい。

予想どおり、ハーレイ氏のレース時代は時計の世界と深く結びついていた。彼は長年にわたり、とても魅力的なコレクションを築き上げてきたが、その多くはロレックスとの長年の関係から生まれたものだ。彼はいまもロレックスのアンバサダーを務めており、モータースポーツの世界におけるロレックスの存在感を示し続けている。ハーレイ氏が披露した時計はレースでの素晴らしい成功の証しであり、また彼のキャリアと私生活における思い出深い瞬間と結びついた証しでもある。


この動画を楽しんでもらえたらうれしい。ハーレイ氏、ポルシェの友人たち、そしてこの動画の制作に協力してくれたブルーモスコレクションの素晴らしい人々に、僕自身とHODINKEEのスタッフ全員から心からの感謝を伝えたい。もしあなたも僕と同じようにクルマと時計、そしてこのふたつの世界の交わるところに魅力を感じるなら、ハーレイ氏と話し、彼のレースや時計、そしてミュージアムのクルマについて聞くのは、言葉では言い表せないほど楽しい時間だったことを想像してもらえるだろう。

1991年デイトナ24時間レース優勝を記念して贈呈されたコンビのロレックス デイトナ Ref.16523

デイトナ(という時計)は数あれど、これは別格だ。ハーレイ氏は1991年のデイトナ24時間レースで優勝し、このコンビのロレックス Ref.16523を手に入れた。これ以上にクールなトロフィーはないし、こんなにも実用的なトロフィーもそうそうない。


ホワイトダイヤルに赤い文字がアクセントとして添えられたこのデイトナ Ref.16523は、ゼニス時代のモデルだ。ハーレイ氏はフランク・ジェリンスキー(Frank Jelinski)、アンリ・ペスカロロ(Henri Pescarolo)氏、ボブ・ウォレック(Bob Wollek)、ジョン・ウィンター(John Winter)とともにヨースト・レーシングのポルシェ962Cを駆り優勝を果たし、その功績を称えてこの時計が贈られた。

ハーレイ氏がデイトナで総合優勝を果たしたのは1991年で5回目(すごい)だったが、ロレックスのデイトナが優勝賞品として贈られたのはこれが初めてだった。当時、優勝者に贈られる時計は通常スティール製だったが、ハーレイの輝かしい経歴を考慮してロレックスは特別にコンビモデルを用意した。


使い込まれたケースバックには “Rolex 1991 24 Hours of Daytona Award(ロレックス 1991、デイトナ24時間レース賞)”と記されている。これ以上の栄誉はないだろう。

ロレックス デイトジャスト Ref.16220

Talking Watchesの撮影で彼が手首にしていたのがこの時計だ。ホワイトダイヤル、ローマンインデックス、SS製エンジンターンドベゼルを備えた、上品で洗練された36mmのロレックス デイトジャスト Ref.16220。最近ハーレイ氏はこの時計をおそろいのオイスターブレスレットで愛用しているが、もともとの仕様とは違う。


その全容はぜひ動画で確かめて欲しい。レースで着用したタイメックス、当時ロレックスUSA会長だったローランド・プートン(Roland Puton)氏からの電話、そして意外なストラップの組み合わせなど、興味深いエピソードが詰まっている。
 

ニバダ グレンヒェン 150本限定の特別仕様として鮮やかなカラーを採用した。

ニバダ グレンヒェンが2023年にアンタークティック ダイバーを発表して以来、そのラインナップは一貫して変わらず、ヴィンテージにインスパイアされたブラックダイヤルがスキンダイバーシリーズの唯一のSKUとして君臨していた。しかし同ブランドの動向を追っているならば、創業者のギヨーム・ライデ(Guillaume Laidet)氏が常にアーカイブやウェブサイト、さらには個人コレクションを探索し、ブランドの歴史的オマージュや復刻のインスピレーションを探し続けていることを知っているだろう。今回ギヨーム氏が参考にしたのは、ヴィンテージウォッチショップで見つけた1970年代のニバダ アンタークティック シーだ。オリジナルはよりユニークなクッションケースを採用していたが、そのエメラルドグリーンのダイヤルは現代版アンタークティック ダイバーのプラットフォームに受け継がれ、新たな限定モデルとして登場することとなった。

今回は、すべてがダイヤルに集約されている。とても鮮やかなグリーンであり、その彩度の高さによって暗い環境でも色が損なわれることはない。サンバースト仕上げが際立ち、明るい光の下ではダイヤルのメタリックな質感が、はっきりと見て取れる。この仕上げの強調により、暗い場所でもダイヤルは単調になることなく明暗のコントラストが生まれ、常に表情を変え続ける。正直に言うと、このカラーリングはチープに見えてしまうのではないかと心配していたが、実物を手に取るとその仕上がりは期待以上に印象的だった。
 ダイヤル周囲には、プリントされたホワイトの分目盛りが配されており、その内側には大型の横長な長方形のインデックスが並ぶ。3・6・9・12時位置には厚みのあるファセット加工が施されたメタル製アプライドインデックスが採用され、それ以外の時間帯には、ブランドが“クリームラテカラーのパティーナ”と称する夜光インデックスが配置されている。だが実際に見るとコーヒーのような色味はなく、むしろグリーンイエローに近い印象を受ける。それでもすべてのインデックスは分厚くワイドに設計されており、このデザイン特有のユニークなプロポーションに貢献している。

これらのインデックスを引き立てるのはきわめてワイドな針だ。私がこれまで見たなかでも最も幅広い針であり、小振りな38mm径のケース内でその存在感が一層際立っている。時・分針は四辺が面取りされているものの、中央部分にはファセット加工が施されておらず、そのためダイヤル上での視認性が非常に高い。オリジナルのヴィンテージモデルから受け継がれたデザインとしては適切な選択だが、もしケースがラウンド型のクッションケースだったならば、このブロック状の針とのバランスがさらによくなったのではないかとも思う。ちなみに、これらの針は現行のアンタークティック ダイバーの標準的なブラックダイヤルモデルにも採用されている。しかし、今回のモデルでは長方形のインデックスと組み合わさることで、そのデザインがより効果的に機能しているように感じられた。
 ヴィンテージからのインスピレーションはこれだけにとどまらず、オリジナルのタイポグラフィもこの現代版に受け継がれている。ニバダ グレンヒェンのブランドロゴ上に配置されたアイコンは、ヴィンテージのカタログリストに掲載されていたデザインを踏襲しており、6時位置の上には筆記体でAntarctic-Diver(南極ダイバー)とプリントされている。今回、自分が手に取ったのはノンデイト仕様だったが、ギヨーム氏はよりオリジナルに忠実なフレーム付きの日付表示モデルも展開している。ブラックダイヤルとは異なりこのモデルには、幸いにもサイクロップスレンズが付いていない。

それ以外の点は、基本的に標準モデルのアンタークティック ダイバーと同じだ。ステンレススティール製のケースは直径38mm、厚さ12.9mmで、ケースサイドはポリッシュ仕上げ、トップとボトムはヘアライン仕上げとなっている。ニバダの多くのモデルはエッジがシャープで明確なラインを持つことが多いが、このモデルはケースのトップからサイドへの移行がより滑らかで、人によってはややポリッシュが強すぎると感じるかもしれない。一方でCNC加工直後のような無機質な印象はなく、適度な仕上がりにまとまっている。ベゼルにはセラミックを採用し、この価格帯で一般的なアルミニウム製よりも高級感のある仕上がりだ。ベゼルは圧接式で、クリック機構のない双方向回転式。適度な抵抗があり、しっかりと固定されている。しかしこの時計を本格的なダイビングツールとして使用する人は、実際にはほとんどいないだろう。
 この時計の全体的なサイズ感は非常に装着しやすく、200mの防水性能を備えた実用的なダイバーズウォッチとなっている。さらにトロピックラバーストラップが手首にしっかりとフィットし、快適なつけ心地を実現している。ムーブメントにはニバダの標準仕様であるソプロード製PO24キャリバーを搭載し、パワーリザーブは約38時間。ノンデイト仕様だと、ゴーストデイトポジションが生じる点は理想的と言えない。裏返すとペンギンの刻印が施されたデザインが現れる。こんな楽しいデザインなら文句はない。

今回のアンタークティック ダイバーは150本限定で、ノンデイト仕様とデイト表示付きモデルがそれぞれ75本ずつ製造される。販売価格は標準モデルと同じ995ドル(日本円で約15万円)に据え置かれており、グリーンダイヤルは限定モデルとしての個性を際立たせるユニークなカラーバリエーションとなっている。これが画期的かつ革新的なモデルかと言われれば、答えはノーだ。しかしニバダが手がけたハイパースタイライズドなデザインと鮮やかな発色は、定番とはひと味違うモデルを求める人にとってよい選択肢となるだろう。
ニバダ グレンヒェン アンタークティック ダイバー グリーン。ステンレススティールケース、直径38mm、厚さ12.9mm。ノンデイト仕様とデイト表示付きのグリーンダイヤル、ダブルドーム型サファイアクリスタル、両方向回転式セラミックベゼル、200m防水。ソプロード製自動巻きCal.PO24搭載。ストラップやブレスレットのバリエーションあり。価格は995ドル~(日本円で約15万円~)。