スーパーコピー時計

魅力的な機能だが、もう少し洗練されたデザインが必要だろう。

フォーメックスは技術革新において確固たる評判を築いている。同社の姉妹会社であるデクセルは、数多くのスイスブランドにパーツを製造・供給するサプライヤーだ。厄介な秘密保持契約(NDA)があるため、どのブランドが何を作っているのか明らかにされないことが多いが、デクセルのウェブサイトには、ジラール・ペルゴやモンブランのブレスレット、ウブロのケースなどが掲載されている。これらの技術の多くは、デクセルのインハウスブランドとも言えるフォーメックスにも生かされている。主にブレスレットやクラスプ、ケースの技術で知られるフォーメックスだが、最近GMT機能に挑戦すると決意したようだ。その結果がフォーメックス ストラトス UTCであり、フライヤーGMTとして機能的なパイロットウォッチに仕上がっている。デザインは少し粗いものの、ストラトス UTCはリーズナブルな価格ながら斬新なGMT機能を提供した。

 ストラトス UTCは“フライヤー”GMT機能を備えているが、通常のリューズ操作ではなく、2時位置と4時位置にあるプッシャーで現地時間の時針を操作できる仕様になっている。リューズを引き出すことなく(またテンプの動作を止めることすらせず)、ローカルアワーを1時間進めたり戻したりすることができるのだ。
 フォーメックスは、ETA 2892にデュボア・デプラ社製のカスタムモジュールを組み合わせることでこの機能を実現している。日付はローカルタイムの時針と連動しているが、ミドルケースの左側には、独立した日付修正機構が隠されている。日付は6時位置のインダイヤルに表示され、9時位置には小さな昼夜表示が配置されている。また見返しリングに24時間表示があり、さらに双方向回転ベゼルにも24時間スケールが付いている。このため、同時に3つのタイムゾーンを追跡できるが、そのぶんデザインはかなり賑やかである。フォーメックスはムーブメントを日差±7秒の精度に調整しており、サファイア製シースルーバックをとおしてムーブメントを見ることができる。


 フォーメックスはこれらすべての機能を41mmのコンパクトなステンレススティールケースに収めている。ラグからラグまでは47mm、厚さは快適な11.8mmで、100mの防水性能を備えている。ストラトス UTCはストラップまたはブレスレット(ラグ幅20mm)で提供されるが、私はブレスレットを強くおすすめする。ブレスレットには工具不要のマイクロアジャスト機能とクイックリリースが完備。フォーメックスはケースとブレスレットの製造や仕上げにおいて優れており、ストラトス UTCも例外ではない。ブレスレットは頑丈でありながら薄く、手首にしっかりとフィットした。

 さらにダイヤルにはサンレイ仕上げ、インダイヤルとアウターリングには異なる質感のグレイン加工を施している。ダイヤルのカラーオプションはブルー、グレー、グリーンの3種類で、すべてに鮮やかなオレンジのアクセントが加えられている。ブレスレット仕様のフォーメックス ストラトス UTCは3990ドル(日本円で約60万円)で、ストラップ仕様は3850ドル(日本円で約58万円)。現在予約注文受け付け中だ。



我々の考え
フォーメックスの実用的なGMTアプローチは気に入っているが、この時計は技術仕様や複雑機構を優先して、デザインが後回しにされた印象を受ける。ダイヤルは情報量が多く、さらにベゼルがごちゃついた感じだ。それにストラトス UTCにはフォントが多すぎる。それでもケースの装着感はとてもよく、厚さわずか11.8mmのGMTというのは軽視できないポイントだ。またポリッシュ仕上げ、サテン仕上げ、マット仕上げが混在しており、仕上げもきちんとしている。

 プッシャーでGMTを操作するのは目新しいわけではない。たとえばパテックの5164やブルガリのオクト フィニッシモ クロノグラフ GMTがその例だ。しかしフォーメックスがETAのムーブメントにモジュールを追加し、この機能を比較的手ごろな価格に抑えたことは評価に値する。
 フォーメックスがこの機能を別のモデルに採用するか、ストラトス UTCのデザインを洗練させてくれることを期待している。というのも、このアイデアには大きな可能性があるからだ。ストラトス UTCのデザインは自分には合わないかもしれないが、フォーメックスの技術力、エンジニアリング、製造に関しては誰もが評価できるものだ。
フォーメックス ストラトス UTC。316Lステンレススティールケース、41mm × 11.8mm(ラグからラグまで47mm)、100m防水。48クリックの双方向回転SS製ベゼル。ストラトス UTCは、カスタムされたデュボア・デプラモジュールを搭載した自動巻きETA 2892ムーブメント(日差±7秒)を使用した“フライヤー”GMT機能、サファイア製シースルーバックからムーブメントを鑑賞できる。6時位置に日付表示。サンレイ仕上げのダイヤルはグリーン、ブルー、グレーの3色展開。ブレスレットは工具不要のマイクロアジャストとクイックリリースの付いたスクリューリンク。メーカー希望小売価格はブレスレット仕様が3990ドル(日本円で約60万円)、ストラップ仕様が3850ドル(日本円で約58万円)。

これは業界的にかなり高い評価を受けているといえるだろう。

彼は『One Good Reason』や『Wanted』などのヒットシングルでカントリーアルバムチャートで1位、ビルボード200では7位を獲得している。先日には新曲『If You Change Your Mind』もリリースした(記事掲載時)。節目として特筆すべき機会が多いアーティストといえるだろう。そして、彼にとってその喜びを表現する手段のひとつが時計なのだ。
 現在29歳(記事掲載時)のヘイズ氏は10年前、カントリー歌手を目指してルイジアナからナッシュビルに初めて移り住んだ。当時の彼はフォッシルの時計をいくつか所有しており、今でもそのころの製品に愛着を感じているというが、現在はキャリアのハイライトごとに増やしてきた成熟したコレクションを持っている。ヘイズ氏が時計を購入するのは節目や目標を達成した時だけで、彼のコレクションにはそれぞれの物語がある。ここに紹介する時計も例外ではない。

彼の4本
ベル&ロスのパイロットウォッチ

ヘイズ氏は2013年にデビューアルバムである『The Four』がグラミー賞3部門にノミネートされたあとで、初めて時計を購入した時のことをはっきり覚えている。時計に大金を費やすことに抵抗がなかったのは、これが初めてだった。そして結果的に、グラミー賞の獲得時にその時計を身につけることとなった。この時計を購入する際、彼はベル&ロスのふたつのモデルで迷っていたという。ひとつはもう片方より約400ドル高かった。
マネージャーと時計の購入について話していると、マネージャーは「5年後には400ドルの差額については忘れるが、時計は残る。妥協すればその事実ものちに残る。この先も常に妥協することになるからだ」と言った。
そのため値段が高くても本当に欲しいモデルを購入することにした。ヘイズ氏によると、このときの購入体験はすぐに報われ、その後に続く大きな物語の一部となったという。
 「ジョン・メイヤー(John Mayer)が激励のためにグラミー賞の楽屋に駆け込んできたんだ。僕の時計に気付いてくれることを期待したけど気付かなかったから、自分から話題にしたんだよ。そしたら彼は『ああ、いや、確かに目の端で見ていたよ!』と言ったんだ」
メイヤー氏が続けて「その時計のことを聞こうと思っていたんだ。詳しく教えてくれ!」と言ったため、ふたりはグラミー賞の舞台裏でこの時計について約5分間ほど語り合った。

ロレックス チョコレートダイヤルのデイトナ Ref.116515

ヘイズ氏がロレックスに興味を持ち始めたのは、ロレックスの傘下ブランドであるチューダーが2014年に1日で10都市を巡る記録的なツアー用の時計をプレゼントしてくれたことがきっかけだった。その時計はツアー終了後にチャリティーオークションにかけられたが、この時を境に彼のロレックスへの関心が芽生えたのだという。「特別な機会につける時計を探していて、このローズゴールド(RG)製のデイトナにたどり着いたんだ。思い切って大きな夢を描いていたんだよ。そしてこの時計がどれだけ気に入ったかを友人に話したら、何の前触れもなく彼が突然プレゼントしてくれたのさ。彼とはいくつかのイベントで共演して知り合ったんだ」
ヘイズ氏は冗談混じりに「2年間警備員を雇っていたけど、それは僕のためじゃなくてデイトナのためだったんだよ!」と話してくれた。
ウブロ ビッグ・バン ジーンズ

履き古したジーンズほどカントリーっぽいものがあるだろうか? ただの常套句ではなく、ヘイズ氏は「ありとあらゆるデニムに夢中」だと語る。
 「2013年ごろはジーンズとデニムジャケットばかり着ていたよ」と彼は言う。「僕にとってはそれが制服みたいなものだったんだ」
そこで、そのスタイルに合う時計を買ったのだという。
ブライトリング ヴィンテージ コスモノート

「昔から航空関係に興味があって、ナビタイマーが好きだったんだ」とヘイズは言う。「でもこの時計が気に入った理由は、ナビタイマーではないからなんだ。コスモノート独自の24時間表示のダイヤルなんだよ」


ヘイズ氏はシドニーでロストバゲージを経験してユニクロでステージ衣装を調達することなった。その際、時計を買う予定はなかったもののひときわ目に留まったのだという。「この時計やベル&ロスのことを話題にしてくれる人がいると、航空分野が好きな仲間と話しているんだなってわかるんです」と彼は言う。そしてその会話がパイロット免許を取るまでの励みになっているのだという。

もうひとつ
マーティン 1958年製Size-5

 「ギターは僕の仕事道具だよ」とヘイズ氏は言う。「仕事に欠かせないものだから、ストーリーがあるとさらに魅力的なんだ」。彼のお気に入りは日本で入手した1958年製のマーティン Size-5だ。「壊れて修理されたギターを見つけるのが好きなんだ。そういったギターのほうが価値があって、弾きやすいことが多いからね」
 ヘイズ氏がこのマーティンを特に気に入っている理由には、見た目だけでなくもちろんその音色も含まれている。「年月とともに木材のコーティングが剥がれて、音色がより豊かでエキサイティングなものになるんだ。弾いていてもっと楽しくなる」。彼は曲作りの旅に出る時にはこのマーティンを持って行く。ユニークなチューニングが強みなのだという。「昔はこれらのギターは“練習用”として作られていたんだ」と彼は言う。「だからほかのギターにはない特別な演奏ができるんだ」

ルイ・エラー×ヴィアネイ・ハルター レギュレーターIIを発表した。

両者の最初のコラボレーションをまだご存じない方のために説明すると、2020年に登場した初代ルイ・エラール×ヴィアネイ・ハルター レギュレーターは、ハルター独特の美学を広く届けるための試みとして作られた。ルイ・エラールが製造を担当し、ハルターがデザインを手掛けたこのレギュレーターは、価格が3500スイスフラン(日本円で約59万2000円)に設定され、ハルターのオリジナル作品に小売市場やセカンダリーマーケットで一般的につけられる高額な価格とは一線を画していた。

2020年、ルイ・エラールとヴィアネイ・ハルターによる初のコラボレーションが実現した。
 両者において初のコラボレーションが、ハルターのモダンな美学を反映したものであったのに対し、今回の第2弾はハルター氏の代表作であるアンティコアからインスピレーションを得たものだ。スチームパンクを思わせるその独特のデザイン言語は、温かみのある金属の色合い、シャープに面取りされたフォルム、そして何よりも特徴的な(しかも大量の)リベットによって際立っている。今回のレギュレーターは、特異で魅力的なアンティコアのパーペチュアルカレンダーに見られる分割式の文字盤と精神的に通じるデザインを強く表現しているといえよう。

 このコラボレーションでは価格を抑えるために機能をシンプルにし、時計は時刻表示のみに絞ったレギュレーターモデルとして仕上げられている。ここにはハルターならではの複雑機構は存在しないが、その代わりにデザインが全面に押し出される形となった。文字盤上には、時・分・秒表示がそれぞれ分割され、独立したレイアウトで配置されている。これまでのルイ・エラールのレギュレーターは、基本的にセリタ製ムーブメントSW266-1を採用した対称的な配置が主流だったが、今回は大胆に非対称性を採用。ムーブメント自体を時計ケース内で数度回転させたデザインとなっている。その結果としてリューズが2時位置に配置されることになり、この小さな変更が大きな視覚的インパクトを生み出し、より“ハルターらしい”仕上がりとなっている。文字盤上で盛り上がったインダイヤルと外周のチャプターリングにはサーキュラーブラッシュ仕上げが施され、ダイヤモンドポリッシュによるシャープな面取りが加えられている。これらの立体的な要素は垂直にヘアライン仕上げが施された文字盤プレートの上に配置され、ハルターらしいブルースティール針がその美観を完成させている。



 時計のベゼルにもサーキュラーブラッシュ仕上げが施され、ポリッシュ加工された12個の“レッドギルト”(ブランドによると5NのPVDコーティングが施されたもの)のリベットが、事実上の時刻マーカーとして配置されている。ケースのサイズは直径43mmとかなり大きいが、厚みは10.95mmと適度に抑えられている。またラグ幅が22mm、ラグトゥラグの長さが49.6mmであることから、装着時には非常に力強い存在感を放つであろうと想像できる。さらに特筆すべきは、リューズを取り囲むリベットのデザインであり、時計愛好家ならフランスの時計職人によるものであることをひと目で見抜けるような際立った特徴を有している。

左のモデルはeコマース専用で、右のモデルは小売店専用である。
 今回のコラボレーションでは、実は2種の異なるモデルが発表されている。両モデルともレイアウトは同じだが、文字盤の配色が反転している。一方は公式eコマース限定で販売され、もう一方はパートナーである小売店専用で展開される予定だ。それぞれ178本限定となり、価格は4444スイスフラン(日本円で約75万円)に設定されている。

我々の考え
これは前述のとおり釘づけになる(リベットを使った=riveting)デザインである。冗談はさておき本作はルイ・エラールのレギュレーターモデルとして非常に魅力的なアプローチであり、アラン・シルベスタイン、クドケ、マッセナ LABなどと行ってきた強力なコラボレーションモデルのなかでも、現時点では特に私のお気に入りとなっている。
 近年、高級時計メーカーが有する強力なデザイン言語をより手ごろな価格帯のモデルに反映させようとする試みが数多く見られる。つい先日もグローネフェルド(Grönefeld)兄弟が自身の新ラインでこのコンセプトに即したモデルを発表したばかりであり、MB&Fから派生したM.A.D.エディションもここ数年話題の中心となっている。さらにはムーンスウォッチでさえも、このアイデアに当てはまる時計だと言えるだろう。

 ルイ・エラールとヴィアネイ・ハルターのコラボレーションにより誕生した今回の時計は、デザイナーとしてのヴィアネイ・ハルター(Vianney Halter)氏の美学に魅了されながらも、時計師としてのハルター氏が要求する価格には手が届かないという人々にとって非常に魅力的な一品となっている。今回のモデルは初回コラボレーション時の価格である3500スイスフラン(日本円で約59万2000円)よりも高額になっているが、新モデルは以前のモデルよりもはるかに洗練されていると感じられる。しかしケースサイズの大きさについては、個人的には気になる点のひとつである。というのも、ハルターの作品はこれまで一貫して比較的小振りなサイズ感を保ってきたからだ。特に時刻表示のみのモデルでは36mm程度が主流であった。しかしこの時計を実際に手に取って見たわけではないため、この点についての最終的な判断は保留としたい。

基本情報
ブランド: ルイ・エラール×ヴィアネイ・ハルター(Louis Erard x Vianney Halter)
モデル名: レギュレーターII(Le Régulateur II)
型番: 85246AA03.BVA172(小売店専用モデル)/85246AA02.BVA172(eコマース専用モデル)

直径: 43mm
厚さ: 10.95mm
ケース素材: SS
文字盤色: レッドゴールド(小売店専用モデル)/シルバー(eコマース専用モデル)
インデックス: プリント
夜光: なし
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: レザー


ムーブメント情報
キャリバー: セリタ SW266-1
機能: レギュレーター表示による時・分・秒表示
直径: 25.6mm
厚さ: 5.6mm
パワーリザーブ: 38時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 31

G-SHOCK 新たな機能やシェイプの提案があるたびにさまざまなモデルが誕生してきた。

G-SHOCKにおいて“定番”として位置付けられ、大きく形状を変えず長く製造され続けてきたシリーズがある。ORIGINの血を色濃く受け継ぐ“5000/5600”、3つ目のインジケーターを持つラウンドフォルムの“6900”、ビッグフェイスにデジアナ表示を備えた“110”、特徴的なオクタゴンベゼルの“2100”。これら5つのシリーズはIconic Stylesと呼ばれ、ブランドを象徴する存在として重要な役割を担っている。

そして今年、6900シリーズが周年を迎える。25周年の際には偏光グラデーション蒸着のガラスにスケルトンケースを備えたスペシャルなモデルがリリースされていたが、30周年の節目に登場したのは同シリーズのルーツも感じさせる3色のアニバーサリーウォッチだ。

G-SHOCKにおいて初めて3つ目のインジケーター(トリグラフ)を導入した1992年のDW-5900C-1、印象的なフロントボタンで好評を得ていた1994年のDW-6600-1Vのエッセンスを受け継ぐ形で、1995年2月に6900シリーズの1作目であるDW-6900-1Vは誕生した。その同年、スラッシャーモデルと呼ばれるブラック・イエロー・レッドの3色で構成されたDW-6900Hが登場。本作のカラーバリエーションは、このDW-6900Hをかなり忠実に再現している(当時ELバックライトを意味していたFOX FIREの文字こそないが)。当時6900シリーズを愛用していた人々からすると、うれしい仕様ではないだろうか。

一方で現代的な変更が見られる箇所もある。それがベゼル・バンドへのバイオマスプラスティックの採用と、6900のデザインアイコンであるフロントボタンのメタル化だ。前者は昨年12月のDW-5000R(DW-5000Cの復刻)の際にもあったアップデートで、環境負荷の低減を掲げる昨今のG-SHOCKにおいては欠かせない。後者はエリックヘイズコラボをはじめとした過去の6900シリーズでも見られたもので、ミラー仕上げの素材表面に刻まれた力強い“G”マークが抜群の存在感を放っている。

1995年に登場したDW-6900H-9。当時のスポーツカルチャーの象徴的存在であった若者“スラッシャー”を意識して、樹脂製のストラップには“G-SHOCK is dedicated to the soulfootinmotion(このG-SHOCKをスラッシャーに捧げる)”とプリントされていた。

機能面では、20気圧防水に加えて100分の1秒ストップウォッチ、タイマー、マルチアラーム、報音フラッシュ機能、LEDバックライト(フロントボタンで点灯)を装備。価格はいずれも1万6500円(税込)で、2025年2月の発売を予定している。

僕は残念ながら、6900シリーズが巻き起こした熱狂にリアルタイムで触れた世代ではない。しかしストリートで広く受け入れられ、世界的なビッグネームとコラボレーションを繰り返してきたのをひとりのG-SHOCKファンとして興味深く見てきた。そんなG-SHOCKを象徴するシリーズの原点を再現し、リファインしたモデルを30周年という節目に手にできるというのは感慨深い。かつて2009年にもスラッシャーモデルをアレンジしたGW-6900A-9がリリースされていたが、3色ともに揃うのは初めてではないだろうか?

Iconic Stylesの30周年ということもあり、バックライトを点灯した際に浮かび上がる“SINCE 1995”の文字、ケースバックに刻まれた30個の星などアニバーサリーイヤーを飾るデザインも落とし込まれている。しかしそのどちらも、通常使用しているなかで表に出てくるものではない。周年モデルでありながら、オリジナルのデザインを楽しみたいというファンの期待に応える気の利いた仕様だ(個人的には、SINCE 1995のフォントにも30年前の雰囲気を感じている)。

2025年にはこの後も6900シリーズのリリースが続くと踏んでいる。しかし、このリリースは周年のスタートとして素晴らしい。レギュラーモデルから逸脱しない価格帯もあり、6900シリーズのルーツを表現しながら既存ファンから新規層にまで幅広くアプローチするモデルとなるだろう。

しかしDW-5000R、ORIGINのカラーリングを踏襲したIconic Stylesに続くG-SHOCKの原点にフォーカスする流れは今後も続くのだろうか? G-SHOCKは2023年に40周年を迎えたブランドだ。もしかしたら、ユーザーの世代交代も意識した動きなのかもしれない。その答え合わせは今年15周年を迎える110シリーズでなされるかもしれないが、とりあえず今はこの目の前のモデルを存分に楽しみたいと思う。(まだ手にできていないが)DW-5000Rとともにコレクションに加える予定だ。

基本情報
ブランド: G-SHOCK
モデル名: 6900シリーズ30周年記念モデル
型番:DW-6900TR-1JR(ブラック)/DW-6900TR-4JR(レッド)/DW-6900TR-9JR(イエロー)

直径: 50mm
厚さ: 18.7mm
ケース素材: バイオマスプラスチック
文字盤色: ブラック
夜光: LEDバックライト(スーパーイルミネーター)
防水性能: 20気圧
ストラップ/ブレスレット:バイオマスプラスチック
追加情報: 100分の1秒ストップウォッチ、タイマー、マルチアラーム、報音フラッシュ機能

伝説的レーシングドライバー、ハーレイ・ヘイウッドの時計コレクション

モーターレース、特に耐久レースが好きなら、ハーレイ・ヘイウッド(Hurley Haywood)氏についてくどくど紹介する必要はないだろう。シカゴ生まれのこのレーシングドライバーは、デイトナ24時間レースで5勝、セブリング12時間レースで総合優勝2回、ル・マン24時間レースで3勝を挙げるなど、レーサー志望なら誰もが憧れるようなキャリアを歩んできた。つまり、“耐久レースの三冠”のうちふたつを制したことになる。しかもこれは彼のキャリアのほんのハイライトに過ぎない。ヘイウッドはロードレース界のレジェンドであり、耐久レースの世界で重要なふたつのブランド、ポルシェとロレックスとのパートナーシップを50年にわたり享受してきた。

フロリダ州ジャクソンビルにあるブルーモスコレクションの本拠地で、ハーレイ・ヘイウッド氏に話を聞いた。緑豊かな低地の森にひっそりと佇むブルーモスコレクションは、約3万5000平方フィート(約3252㎡)の博物館で、実際に稼働する施設でもある。1959年にポルシェの輸入を開始したブランデージ・モーターズの歴史を紹介する施設だ。1960年代半ば、レーシングドライバーのピーター・グレッグ(Peter Gregg)がブルーモスの事業とブルーモス・レーシングチームを引き継いだ。60年代後半、グレッグはオートクロスイベントでヘイウッド氏と出会い、そこでヘイウッドが勝利を収めた。その走りに感銘を受けたグレッグは、ヘイウッド氏に次のレースへの出場枠を提供し、これがヘイウッド氏のレーシングキャリアの始まりとなった。ふたりは1973年、きわめて過酷なデイトナ24時間レースでブルーモスチーム初の勝利を手にする。

ブルーモス・レーシングのポルシェ911 カレラRSRを駆り、ピーター・グレッグとともに1973年のデイトナ24時間レースを制したヘイウッド氏。

ハーレイ氏は2012年にプロレースから引退し、トランスAMとSuperCarのタイトル、3度のノレルコ・カップ・チャンピオンシップ、インディカーでの18戦出走など、上記のような輝かしい勝利とともにキャリアを閉じた。ベトナム戦争への従軍やLGBTQコミュニティの支援活動など、彼の驚くべき人生についてさらに詳しく知りたい方は、パトリック・デンプシー(Patrick Dempsey)がプロデュースしたハーレイの人生を紹介する2019年の映画『Hurley』をぜひご覧いただきたい。

予想どおり、ハーレイ氏のレース時代は時計の世界と深く結びついていた。彼は長年にわたり、とても魅力的なコレクションを築き上げてきたが、その多くはロレックスとの長年の関係から生まれたものだ。彼はいまもロレックスのアンバサダーを務めており、モータースポーツの世界におけるロレックスの存在感を示し続けている。ハーレイ氏が披露した時計はレースでの素晴らしい成功の証しであり、また彼のキャリアと私生活における思い出深い瞬間と結びついた証しでもある。


この動画を楽しんでもらえたらうれしい。ハーレイ氏、ポルシェの友人たち、そしてこの動画の制作に協力してくれたブルーモスコレクションの素晴らしい人々に、僕自身とHODINKEEのスタッフ全員から心からの感謝を伝えたい。もしあなたも僕と同じようにクルマと時計、そしてこのふたつの世界の交わるところに魅力を感じるなら、ハーレイ氏と話し、彼のレースや時計、そしてミュージアムのクルマについて聞くのは、言葉では言い表せないほど楽しい時間だったことを想像してもらえるだろう。

1991年デイトナ24時間レース優勝を記念して贈呈されたコンビのロレックス デイトナ Ref.16523

デイトナ(という時計)は数あれど、これは別格だ。ハーレイ氏は1991年のデイトナ24時間レースで優勝し、このコンビのロレックス Ref.16523を手に入れた。これ以上にクールなトロフィーはないし、こんなにも実用的なトロフィーもそうそうない。


ホワイトダイヤルに赤い文字がアクセントとして添えられたこのデイトナ Ref.16523は、ゼニス時代のモデルだ。ハーレイ氏はフランク・ジェリンスキー(Frank Jelinski)、アンリ・ペスカロロ(Henri Pescarolo)氏、ボブ・ウォレック(Bob Wollek)、ジョン・ウィンター(John Winter)とともにヨースト・レーシングのポルシェ962Cを駆り優勝を果たし、その功績を称えてこの時計が贈られた。

ハーレイ氏がデイトナで総合優勝を果たしたのは1991年で5回目(すごい)だったが、ロレックスのデイトナが優勝賞品として贈られたのはこれが初めてだった。当時、優勝者に贈られる時計は通常スティール製だったが、ハーレイの輝かしい経歴を考慮してロレックスは特別にコンビモデルを用意した。


使い込まれたケースバックには “Rolex 1991 24 Hours of Daytona Award(ロレックス 1991、デイトナ24時間レース賞)”と記されている。これ以上の栄誉はないだろう。

ロレックス デイトジャスト Ref.16220

Talking Watchesの撮影で彼が手首にしていたのがこの時計だ。ホワイトダイヤル、ローマンインデックス、SS製エンジンターンドベゼルを備えた、上品で洗練された36mmのロレックス デイトジャスト Ref.16220。最近ハーレイ氏はこの時計をおそろいのオイスターブレスレットで愛用しているが、もともとの仕様とは違う。


その全容はぜひ動画で確かめて欲しい。レースで着用したタイメックス、当時ロレックスUSA会長だったローランド・プートン(Roland Puton)氏からの電話、そして意外なストラップの組み合わせなど、興味深いエピソードが詰まっている。