スーパーコピー時計

ロレックスはル・マン 24時間レースの第100回大会を記念して、特別なデイトナを発表した。

つい数週間前にロレックスは、少なくともつい最近まではほとんどやっていなかったことをやった。ロレックスは通常の見本市の枠組みを超えてアニバーサリーウォッチを発表したのだ。このブランドは予想もつかない大胆さをもって我々を驚かせ、おそらく今年もっともホットな時計を発表した。

メタルで縁取られたベゼル、ダイヤルレイアウトの変更、新型ムーブメント)を取り入れたこのデイトナの最新モデルは、まさに…あらゆる意味で別格だ。

思い出してほしいのだが、ロレックスは過去にもアニバーサリーモデルを発表している。カーミット・サブマリーナー(ブラックダイヤルにグリーンのベゼルインサートを施したもの)やプラチナのデイトナだ。これらの時計と新作デイトナ “ル・マン”との違いは、それぞれが既知のデザインをベースに新たに表現されたものだということである。そしてそれはロレックスがオマージュを好まないからだ、と、私たちはそう思っていた。

この新型デイトナはロレックスが独自の方法で過去に回帰したデザインを採用している。ヴィンテージモデルのオマージュでも完全復刻でもない。過去をユニークな手法で振り返り、新しいリュクスを表現したデイトナなのだ。では、その過去とは何か? それは、ポール・ニューマンのスタイルと初代デイトナの美学をミックスしたもので、それ自体がル・マン 24時間レースにルーツを持つものだ。

デイトナ 24時間レースの起源
ル・マン 24時間レースは、地球上でもっとも歴史と権威のある耐久レースである。そしてロレックス デイトナはこの地球上で最も有名な機械式クロノグラフであり、その起源はル・マンに遡るが、別の24時間耐久レース(想像にお任せする)にちなんで名付けられた。
というのも、オリジナルのロレックス デイトナ Ref.6239は当初、デイトナとは呼ばれていなかった。また1963年に誕生したこのモデルのマーケティングと広告でも、この時計を“デイトナ”とは呼ばなかったのだ。その代わり、広告では “ル・マン”と呼ばれるクロノグラフについて言及している。
そう、ロレックス デイトナは誰がどう見ても、当初はロレックス ル・マンと呼ばれる予定だった。1960年代半ばにロレックスがデイトナ24時間レースのスポンサーになったおかげで、最終的にはデイトナがその名を冠するに至ったのである。
しかし、約60年前にその地位を確立したのはル・マンだった。だから6月に発表されたこの新しいデイトナはル・マン 24時間レースの100周年を祝うと同時に、ロレックスのコスモグラフがまさに同じ名前で呼ばれるようになってから60年という節目の時計でもあるのだ。
ロレックスのオマージュのバリエーション
はっきり言って、私たちはこのモデルをオマージュと呼ぶつもりはない。しかしこの新しいクロノグラフのデザインには、ロレックスの過去のモデルを指し示すイースターエッグ(隠れ仕様)が数多く隠されている。例えば、Ref.6239とRef.6263の両方の様式にしたがった初のリバースパンダ仕様(ブラックダイヤルにホワイトのインダイヤル)、Ref.6239 デイトナ “ル・マン”(Aクラスの俳優によって有名になった、赤いアクセントとユニークなタイポグラフィが特徴的なファンキーダイヤルの派生モデル)である。
デイトナに大金を払うのであれば、その対象は歴史的に重要なものであるべきだと私は考えている。

– ベン・クライマー HODINKEE創設者
ではノン・ニューマンのブラックダイヤルのデイトナと、ニューマンのブラックダイヤルのデイトナの違いとは何か? 実は違いは多い。伝統的なノン・ニューマンのデイトナは多くの点で初期のホイヤー カレラによく似ている。標準的なマットブラックダイヤルにホワイトのハッシュマーク、そしてハイコントラストなホワイトのインダイヤルに標準的な数字のプリント(インダイヤルのフラットな“4”のタイポグラフィを含む)である。そんなところだろうか。

ニューマンダイヤルは、より豊かな視覚的魅力とコントラストを持っている。ダイヤル外周のハッシュマークは、ホワイト地に鮮やかなレッドで描かれている。ダイヤル内側はフラットなブラックカラーだ。ホワイトのインダイヤルはニューマン以外のモデルと共通だが、ここで重要なのはその内側であり、標準的なものは何もない。まず端が四角いインナーマーカーと、シャープなエッジを持つまるでアール・デコ様式のユニークな数字のタイポグラフィである。これらの特徴を総称してエキゾチックダイヤルとして知られているが、それを見れば納得だ。
このニューマンダイヤルのデイトナは、当時特に人気があったわけではない。だがニューマンはデイトナのなかで最も認知度の高いモデルとなっている。これらの時計がオークションに出品されると高値で取引されるのが通例であり、現代の時計コレクション界隈においてもその人気は衰えていない。

ポール・ニューマンは時計界で最も重要な人物であり、彼の死後に時計界に与えた影響は計り知れない。ポンプ式プッシャーを備えたRed.6239 ニューマン・デイトナであれ、後期のRef.6263のねじ込み式プッシャーのデザインにせよ、彼自身が当時のロレックスで最も売れ行きの悪かったモデルのひとつをアイコニックな存在に格上げしたのである。それは影響力がなせる業だ。
 この2023年モデルはロレックスがル・マンとニューマンから少しずつヒントを得て、お祝いムードにふさわしい外観に仕立て上げたものだ。まず赤いアクセントが使われていることだが、これは普段目に付きやすい場所にあるわけではない(本モデルではベゼル)。またブラックセラミック製ベゼルは、旧モデルのブラックアクリル製ベゼルの質感を模倣したものである。

スタンダードなブラックダイヤルにホワイトのインダイヤルを組み合わせた意匠は初代Ref. 6239 デイトナ ル・マンを彷彿とさせる。インダイヤルのシンプルなタイポグラフィと全体的にシンプルなデザインは、現代のデイトナパッケージのなかでは限りなくその外観に近い。エキゾチックな雰囲気が感じられるのはプッシャー類の内側を見たときだ。内側のマーカーは、ヴィンテージ・ニューマンのダイヤルに見られるような四角い外観を持つ。そしてこのデザインキューを復活させることは、極端に言えばデイデイト “emoji(絵文字)”の登場と同じくらい意外なことであった。

ロンジンのモダンなダイバーズウォッチに、初めてGMTが搭載された。

ロンジンはハイドロコンクエストのラインナップにGMT機能を追加した、ハイドロコンクエスト GMTを発表した。ハイドロコンクエストは、(レジェンドダイバーやスキンダイバーのような伝統にインスパイアされたモデルとは異なり)ロンジンが提案するモダンなダイバーズウォッチとして2007年に登場したコレクションだ。ハイドロコンクエスト GMTは4色のダイヤルカラーから選択可能で、それぞれ単独で調整可能なローカル12時間針を備えたETAベースの新ムーブメント、ロンジン Cal.L844.5を搭載している。

 新型ハイドロコンクエスト GMTの直径は41mmで、厚さは12.9mm。ラグからラグまでの長さは明記されていないが、3針のハイドロコンクエストでは約50mmだった。ステンレススティール(SS)製ケースの防水性能は300mで、逆回転防止機能付きセラミック製ベゼルを備えている。4種類のダイヤルはすべてサンレイ仕上げで、SS製ブレスレット、またはダイヤルの色に応じたストラップ(ブラックまたはブルーはラバーストラップ、グリーンまたはブラウンはNATOストラップ)が用意されている(編注;NATOストラップモデルの日本展開はなし)。ロンジンによると、ブレスレットとラバーストラップにはマイクロアジャストクラスプを採用。時針は金メッキもしくはシルバーとスーパールミノバで仕上げられ、外周には24時間スケールが配置されている。
 内部には、72時間のパワーリザーブとシリコン製ヒゲゼンマイを備えたETAベースのロンジン製ムーブメント、L844.5を搭載。このムーブメントはロンジンによる新型ムーブメントで、スピリット Zulu Timeに搭載されているCal.L844.4と同様に、単独で調整可能なローカル時針を備えたジェームズが言うところの“フライヤー”GMTとなっている。

我々の考え

ハイドロコンクエスト GMTは、ロンジンの現代的なダイバーズウォッチであることに加え、より広範囲にわたる“ダイブGMT ”カテゴリに加わる価値を持つモデルのようだ。4色のカラーバリエーションはモダンなスタイル(ブルーまたはブラックのラバーストラップオプション付き、シルバーダイヤル仕上げ)、またはヴィンテージな スタイル(ブラウンまたはグリーンのNATOストラップ付き、金メッキダイヤル仕上げ)から選ぶことができる(編注;NATOストラップモデルの日本展開はなし)。だが、セラミック製ベゼルを備え、300m防水とISO764に準拠する耐磁性を備えたムーブメントを搭載した堅牢でモダンなダイバーズウォッチであることに変わりはない。



 3000ドル以下の堅実なGMTウォッチの選択肢が増えつつあるロンジンに、また新たなモデルが加わったことになる。ロンジンは2022年、直径39mmに小型化したZulu Timeを発表したばかりだ。特筆すべきは、ハイドロコンクエストGMTの厚さがZulu Timeのいずれのサイズよりも薄いことだ。ハイドロコンクエストの厚さ12.9mmはZulu Timeの42mm径よりも1mm薄い。

 ハイドロコンクエストは、現代のツールウォッチとして構想されたロンジンのモダンダイバーズである。ここ数年、新しいGMT搭載キャリバーが開発され続けているなかで、ロンジンがハイドロコンクエストの未来に向けた投資を続けているのは素晴らしいことだ。

基本情報
ブランド: ロンジン(Longines)
モデル名: ハイドロコンクエスト GMT(HydroConquest GMT)
型番: L3.790.4.06.6(グリーン、SS製ブレスレット)、L3.790.4.06.2(グリーン、NATOストラップ)、L3.790.4.66.6(ブラウン、SS製ブレスレット)、L3.790.4.66.2(ブラウン、NATOストラップ)、L3.790.4.56.6(ブラック、SS製ブレスレット)、L3.790.4.56.9(ブラック、ラバーブレスレット)、L3.790.4.96.6(ブルー、SS製ブレスレット)、L3.790.4.96.9(ブルー、ラバーブレスレット)※L3.790.4.06.2、L3.790.4.66.2は日本展開なし

直径: 41mm
厚さ: 12.9mm
ケース素材: SS
文字盤色: サンレイ仕上げのグリーン、ブラウン、ブラック、ブルー
インデックス: スーパールミノバを施したアプライド
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット: SS製ブレスレット(マイクロアジャストクラスプ付き、すべてのカラーに付属)、ブルーまたはブラックのラバーストラップ(マイクロアジャストクラスプ付き、対応するダイヤルカラーに付属)、NATOストラップ(カーキグリーンまたはベージュ、対応するダイヤルカラーに付属)


ムーブメント情報
キャリバー: L844.5
機能: 時刻、デイト、GMT (12時間針を単独で調整可能)
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万5200振動/時
石数: 21
追加情報: シリコン製ヒゲゼンマイ

価格 & 発売時期
価格: 40万3700円(税込) 編注;NATOストラップモデルの日本展開はなし。8/22より43万5600円(税込)に価格変更

タグ・ホイヤー最新作“カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリームスポーツ|F1® 75周年 リミテッドエディション”が2025年12月に登場する。

TAG Heuer(タグ・ホイヤー)
カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリームスポーツ|F1® 75周年 リミテッドエディション
本作は、世界最高峰のモーターレース”フォーミュラ1”の75周年を記念して製作された限定モデル。1963年に誕生した“カレラ”コレクションと、タグ・ホイヤーが培ってきたモータースポーツの伝統を取り入れた。

ケースは44mm径サイズ、サンドブラスト仕上げを施したチタン製に、18Kイエローゴールドの固定式ベゼルを組み合わせたデザイン。

文字盤は、ブランドを象徴するシースルー仕様で、チェッカーフラッグを思わせる模様がインパクト大。

また、ロジウムコーティングの針や、レコードのような同心円の溝を彫るアジュラージュ加工のクロノグラフカウンターを配し、12時位置にはF1ロゴ、タキメータースケールの”75”には公式記念ロゴを刻印した。

限定75本で、裏ブタには1950年から2024年までのF1チャンピオンシップの年号を刻印。勝利の象徴であるゴールドの冠がサファイアガラスにあしらわれ、F1の栄光を称える1本に仕上げられている。

 

そして、搭載するムーヴメントは、自社製トゥールビヨンキャリバー”TH20-09”。約65時間のパワーリザーブ機能や、10気圧防水機能も備える。

収納ボックスは、公式の75周年とブランドのロゴなどを含む、勝利の冠が刻まれたデザインとなっている。なお、販売予定価格は598万4000円だ。

H.モーザーのエンデバーにベンタブラック®ダイヤルが登場!

H.モーザーはジュネーブ・ウォッチ・デイズ 2023に向けて、エンデバーコレクションにふたつの新作、エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ベンタブラックとエンデバー・センターセコンド ベンタブラック®を発表した。このふたつのモデルは、2018年のエンデバー・パーペチュアル・ムーン コンセプトから昨年のゴージャスなレッドゴールドのストリームライナー・トゥールビヨンまで、H.モーザーがここ数年時計に使用してきた黒より黒いベンタブラック素材の素晴らしい延長線上にある。昨年のトゥールビヨン同様、ここでもトゥールビヨンが主役だ。
どちらも40mmの5Nレッドゴールド製ケースに、モーザーの“M”をあしらったリューズが特徴だ。エンデバー・センターセコンドは厚さ11.2mmで、ベンタブラック®文字盤の上にゴールドの針が浮かび上がっているようだ。内部には72時間のパワーリザーブとシュトラウマン・ヘアスプリング(2007年よりモーザー・プレシジョン・エンジニアリング社によって製造されているダブルヘアスプリング)を備えたモーザー社製自動巻きCal.HMC200が搭載されている。H.モーザーは数年前からベンタブラック®を採用し、遊んでいる(2019年のエイプリルフールのジョークを覚えているだろうか)。ベンタブラック®はカーボンナノ構造からなる素材で、99.965%の光を吸収し、地球上で最も暗い物質と言われている。
トゥールビヨン コンセプト・ベンタブラック®は、モーザーのコンセプトラインの延長線上にあるモデルだ。通常、時計の文字盤に配されるロゴやマークは排除され、その代わりに文字盤とコンプリケーションの存在を際立たせる、すっきりとしたオープンな文字盤が採用された。そしてこのモデルでは、ワンミニッツ フライングトゥールビヨンがすべてを物語っている。

エンデバー・センターセコンドの希望小売価格は2万7600ドル(約400万円)、エンデバー・トゥールビヨン コンセプトは8万2500ドル(約1200万円)だ。

エンデバーのラインナップに劇的な新しさをもたらすわけではないが、これはカッコいいペアだ。ブラックとゴールドの組み合わせは古典的なものだが、ブラックよりのベンタブラック®とH.モーザーの5Nレッドゴールドによって、さらにドラマチックなものとなった。トゥールビヨン コンセプト ベンタブラック®は、昨年発表されたストリームライナー トゥールビヨン ベンタブラック®をさらにドレスアップさせたようなモデルである。

 ストリームライナーのトゥールビヨンは、一見広大なブラックホールのような文字盤の真んなかにあり、見る者を魅了する。昨年はスポーティなストリームライナーのトゥールビヨンが大ヒットしたが、ドレッシーなエンデバーのラインナップのほうが個人的には好みなので、同社のカタログにこのオプションがあることを嬉しく思う。

 当初はちょっとしたジョークとして始まったのかもしれないが、H.モーザーはベンタブラック®を使い、実に見栄えのする時計を作り続けている。


基本情報
ブランド: H.モーザー(H. Moser & Cie.)
モデル名: エンデバー・センターセコンド ベンタブラック®(Endeavour Centre Seconds Vantablack®)
型番: 1200-0411

直径: 40m
厚さ: 11.2m
ケース素材: 5N レッドゴールド
文字盤色: ベンタブラック
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ハンドステッチのグレー・クードゥー・レザー、18K5Nレッドゴールド製のピンバックル

ムーブメント情報
キャリバー: HMC 200
機能: 時、分、秒
直径: 32mm
厚さ: 5.5mm
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 28石
クロノメーター認定: なし
追加情報: シュトラウマン・ヘアスプリング(モーザーの姉妹会社、プレシジョン・エンジニアリング社製)

価格&発売時期
価格: 2万7600ドル(約400万円)
限定: なし



基本情報
ブランド: H.モーザー(H. Moser & Cie.)
モデル名: エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ベンタブラック®(Endeavour Tourbillon Concept Vantablack®)
型番: 1804-0403

直径: 40m
厚さ: 10.7m
ケース素材: 5Nレッドゴールド
文字盤色: ベンタブラック
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ハンドステッチ入りのマットアリゲーターレザー、18K 5Nレッドゴールド製フォールディングクラスプ付き

ムーブメント情報
キャリバー: HMC 804
機能: 時、分、6時位置にワンミニッツフライングトゥールビヨン
直径: 32mm
厚み: 5.5mm
パワーリザーブ 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 28石
クロノメーター認定: なし
追加情報: スケルトン仕様のトゥールビヨンブリッジ

価格&発売時期
価格: 8万2500ドル(約1200万円)

金無垢腕時計の魅力と注意点を解説,人気モデルも紹介.

金無垢腕時計は、高級時計の世界において最高峰のステータスシンボルとして位置づけられています。ステンレスやチタン製の腕時計とは一線を画す輝きと重量感は、身につける人の品格を格段に引き上げてくれます。

しかし、高額な投資となる金無垢腕時計を選ぶ際は、素材の特性や資産価値、メンテナンス方法など、知っておくべきポイントが数多くあります。

本記事では、金無垢腕時計の魅力や人気モデル、購入前に押さえておきたい注意点などを解説します。特に初めて金無垢時計の購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

金無垢腕時計とは?

金無垢腕時計とは、時計のケース(本体)やブレスレット(バンド)部分に、金の含有率が75%以上(18金)の金合金を使用した時計を指します。表面だけに金メッキを施したものとは異なり、素材自体が金で構成されているため、「無垢」という表現が使われています。

一般的に高級時計メーカーでは、18金(75%)の金を使用することが多く、これは純金(24金)よりも硬度が高く、時計の素材として適しているためです。金の純度が高いほど価値は上がりますが、同時に柔らかくなるため、実用性とのバランスを考慮して18金が選ばれています。

金無垢モデルは、多くのブランドで最高級ラインに位置づけられており、限定生産されることも多いため、希少性の高いアイテムとなっています。

金無垢腕時計が人気の理由
金無垢腕時計は、単なる時計を超えた多面的な価値を持つアイテムとして、世界中の人から支持されています。ここでは、金無垢腕時計が人気の理由を紹介します。

高級感がある
金無垢腕時計は、他にはない圧倒的な高級感があります。金特有の輝きと重みは、身に着ける人に確かなステータスをもたらします。

この高級感は見た目の美しさだけではなく、金という貴金属が持つ歴史的価値や希少性によってさらに高められています。そのため、多くの経営者や著名人にとって金無垢時計は「成功の象徴」として選ばれてきました。

さらに、金の温かみを帯びた光沢はどんな光の下でも美しく映え、手元を上品に演出します。この輝きはメッキでは再現できない、天然素材ならではの特別な存在感です。

資産価値が高い
金無垢腕時計は、時計としての実用性だけでなく、素材そのものが資産価値を持つ点でも注目されています。金は世界的に通用する価値基準とされ、経済状況に左右されにくい安定した需要を誇る貴金属です。そのため、金無垢時計は単なる高級品ではなく、資産としての側面も備えています。

とりわけ有名ブランドの金無垢モデルは生産数が限られており、中古市場でも高値で取引される傾向があります。中には新品価格を上回る値段で売却される例も少なくありません。

近年は現物資産への投資意識が高まっていることから、美しさを楽しみつつ資産形成もできる金無垢時計を投資目的で購入する人も増えています。まさに「身に着けられる資産」としての魅力が評価されているのです。

ファッション性が高い
金無垢腕時計は、その美しさからファッションアイテムとしても高い価値を持ちます。

イエローゴールドは華やかで格調高い印象を与え、商談やパーティーといった特別な場面で存在感を放ちます。ホワイトゴールドは都会的で洗練された雰囲気を演出し、現代的なビジネススタイルにもしっくりと馴染みます。ピンクゴールドは温かみと優雅さを兼ね備え、カジュアルな装いにも上品さを添えてくれるのが魅力です。

どのカラーを選んでも、金無垢時計は着用者のファッションセンスを一段引き上げてくれます。さらに、幅広いスタイルに合わせられるため、1本持っていれば多彩なシーンで活躍できる頼もしい存在です。

希少性が高い
金無垢腕時計は、素材コストが高く、製造工程も複雑です。そのため、多くの時計ブランドにおいて、金無垢モデルは限られた数しか製造されません。

特に人気ブランドの代表的なコレクションでは、金無垢仕様は特別なラインとして扱われることが多く、入手困難になることも多くあります。この希少性が、金無垢腕時計の価値を一層高めているのです。

さらに、ヴィンテージモデルや限定版の金無垢時計は、時間が経つほど希少性が増し、コレクターズアイテムとしての魅力も高まります。

長期的に楽しめる
金無垢腕時計は、使い込むほどに独自の風合いが増し、年月とともに愛着が深まっていきます。金は経年変化によって購入時とは異なる落ち着いた輝きを帯び、持ち主だけが味わえる特別な魅力を生み出します。

さらに、適切なメンテナンスを施せば数十年にわたり使用でき、次の世代へ受け継ぐことも可能です。単なる道具にとどまらず、人生を共に歩むパートナーとして長く寄り添える点も、金無垢時計ならではの価値といえるでしょう。

金無垢腕時計の人気モデル
金無垢腕時計には、各ブランドが誇る名作や革新的なモデルが数多く存在します。中でも特に注目度が高く、多くの人から長く支持されている代表的なモデルを厳選して紹介します。

ロレックス コスモグラフ デイトナ (16523)

ロレックスのコスモグラフ デイトナは、世界的に最も知られるクロノグラフの1つです。その名はアメリカ・フロリダ州で開催される「デイトナ24時間レース」に由来し、モータースポーツと深い結びつきを持っています。

コスモグラフ デイトナ (16523)は、18Kイエローゴールドのケースにステンレススチールブレスレットを組み合わせたコンビモデルです。ケース部分に贅沢なゴールドを採用しており、白い文字盤とのコントラストがスポーティーさと上品さを兼ね備えた印象を与えます。

このモデルの魅力は、レーシングクロノグラフとしての高い実用性と、ゴールドならではの高級感が絶妙に調和している点にあります。すでに生産終了となっており、中古市場でのみ流通していますが、希少性の高まりとともに価格も上昇傾向を示しています。

ロレックス コスモグラフ デイトナ (16523)の商品詳細

ロレックス ヨットマスター (126621)

ヨットマスター (126621)は、ロレックスが独自に開発した18ctエバーローズゴールドを採用したモデルです。従来のピンクゴールドが抱えていた「経年による変色」という課題を克服した革新的な合金であり、長い年月を経ても購入時の美しい色合いを保ち続けます。

ケース径は40mmと現代的でスポーティーなサイズ感ながら、ゴールドの素材感が上品さを漂わせます。さらに、ブラウンのサンレイダイアルとの組み合わせは非常に洗練されており、カジュアルからビジネスまで幅広いシーンに対応できるのも魅力です。

ロレックス ヨットマスター (126621)の商品詳細

IWC ポルトギーゼ クロノグラフ (IW371482)

IWCのポルトギーゼ クロノグラフは、1930年代にポルトガルの時計商の依頼を受けて誕生した歴史あるコレクションの現代版です。中でもポルトギーゼ クロノグラフ (IW371482)は、18Kレッドゴールドケースを採用した金無垢モデルで、クラシックな魅力と最新技術が融合した1本といえます。

グレーの文字盤とレッドゴールドケースの組み合わせは非常に上品で、存在感のあるケースサイズながら薄型設計により装着感も快適です。シンプルで視認性の高いダイアルデザインは、ビジネスシーンにも自然に溶け込みます。

ムーブメントにはIWC自社製Cal.89361を搭載し、68時間のパワーリザーブを実現しています。高い精度と信頼性を誇り、実用性と美しさを兼ね備えた完成度の高いモデルです。

IWC ポルトギーゼ クロノグラフ (IW371482)の商品詳細

オーデマ ピゲ ジュール オーデマ (15056OR.OO.A067CR.02)

オーデマ ピゲのジュール オーデマは、創業者の1人ジュール・ルイ・オーデマの名を冠したクラシックなドレスウォッチです。ジュール オーデマ (15056OR.OO.A067CR.02)は、18Kローズゴールドケースを採用した金無垢モデルで、伝統的な手巻きムーブメントを搭載しています。

12時位置に配されたAPロゴの美しさと、ケース全体の洗練されたフォルムが最大の特徴です。39mmという控えめなサイズながら、薄型設計によってエレガントな存在感を放ちます。

搭載されるCal.2120/2800は、オーデマ ピゲの技術力を示す精緻な手巻きムーブメントです。自動巻きにはない巻き上げの感触や、薄型ならではのドレッシーな外観は、機械式時計好きにとって格別の魅力です。クロコダイルレザーストラップとの組み合わせも上品で、フォーマルなシーンにふさわしい1本といえるでしょう。

オーデマ ピゲ ジュール オーデマ (15056OR.OO.A067CR.02)の商品詳細

金無垢腕時計の注意点
金無垢腕時計は、素材の特性ゆえに注意すべき点も少なくありません。購入を検討する際には、あらかじめ注意点を理解しておくことで、長く満足して使い続けられます。

傷がつきやすい
金は比較的柔らかい金属であるため、ステンレスやチタンに比べて表面に傷がつきやすい特徴があります。日常のちょっとした動作や、机にぶつけたりドアノブに触れたりするだけでも細かな傷が増えていきます。特にブレスレット部分は擦れやすく、着脱時の摩擦でも徐々に傷が蓄積します。

また、金は衝撃にも弱く、強い力が加わるとケースのラグ(ストラップ取り付け部)やブレスレットのリンクが変形する恐れがあります。こうした損傷は見た目の劣化だけでなく、時計の機能面に影響を及ぼすこともあります。

さらに、金は熱伝導率が高いため、夏場の直射日光下では表面温度が上がりやすく、肌に触れる部分が熱を持ちすぎて火傷のリスクにつながることもあります。屋外で長時間着用する際には注意が必要です。

重量感があって疲れやすい
金は比重が高いため、金無垢腕時計はかなりの重量があります。同じサイズのステンレスモデルと比べると、2倍以上重くなることも珍しくありません。この重さは最初こそ高級感として魅力的に感じられますが、長時間の着用では手首に負担がかかります。

重量による快適さの感じ方には個人差があるため、普段軽い時計に慣れている人は、購入前に実際に試着して確かめるのがおすすめです。また、ブレスレットタイプよりも革ストラップのほうが総重量を抑えられる場合もあり、選び方次第で負担を軽減できます。

メンテナンスコストが高い
金無垢腕時計のメンテナンスは、一般的なステンレスモデルに比べて高額になる傾向があります。特に、オーバーホール時の部品交換費用は高くなりやすいです。金製の部品は材料費そのものが高いため、修理代も自然と上がります。

また、金は柔らかい金属のため、ポリッシュ(磨き直し)を繰り返すと徐々に素材が薄くなり、最終的には時計の寿命に影響を与える可能性もあります。

加えて、金無垢モデルは生産数が限られているため、交換部品の確保が難しいケースがあります。特にヴィンテージモデルでは部品がすでに製造されておらず、修理自体が困難になるリスクも考慮しなければなりません。

このような理由から、金無垢腕時計を購入する際には、本体価格だけでなく、将来的なメンテナンスや修理体制まで見据えて検討することが重要です。

オリエントスターから、秋の田沢湖をイメージしたM45 F7 メカニカルムーンフェイズ Ref.RK-AY0120Aが登場

今年、オリエントスター(Orient Star)は従来のラインナップを3つのコレクションに分類し、それらをまとめてMコレクションズ(M Collections)と名付けた。Mは星団、星雲を表し、星団すばる、プレアデスを表すM45コレクション、ペルセウスの名を冠したM34コレクション、海神ポセイドンの子であるオリオンからとったM42コレクションが並ぶ。元来オリエントスターは“輝ける星”と呼ばれる機械式時計を作りたいというコンセプトを持っていたが、今回のリニューアルで従来のクラシック、コンテンポラリー、スポーツの3つのコレクションについてより宇宙にフォーカスし、情緒的に表現した形になる。

今回紹介するのは、そのなかでもM45に属するモデルだ。星団すばるをイメージした今年4月リリースの“メカニカルムーンフェイズ M45”と同じ名前を持ち(ブランドとして同モデルを意識したかは聞いてみたいところだ)、伸びやかなラグやローマンインデックスによりフォーマルな美観を表現するコレクションで、現状ではメカニカルムーンフェイズを中心に構成されている。その新作であるM45F7 メカニカルムーンフェイズ Ref.RK-AY0120Aは、工房の位置する秋田県湯沢市、そこにある秋の田沢湖の情景がモチーフとなっている。

夜、月の下で静かに揺蕩う湖面を、オリエントスターは白蝶貝(MOP)と裏打ち塗装により表現した。外周に向かって暗く落ちていくようなグラデーションは、ひっそりとした月明かりをノスタルジックに描いている。ローマンインデックスに12時位置のパワーリザーブ表示、6時位置のムーンフェイズとデイト表示など、要素的な面で変更は見られない。センター部分に見られる、オリエントスターロゴの透かしデザインもしっかり踏襲されている。ストラップは光沢感の強いダークブラウンのワニ革に、プッシュ三つ折式バックルを採用した。

ケース径は41mmで、厚さは13.8mm。ムーブメントには2万1600振動/時で駆動し、約50時間のパワーリザーブを有するCal.F7M65を搭載している。オリエント時計時代から誇る、いわゆる46(ヨンロク)系に属するものだ。その姿はスケルトンバックから確認することができる。

今作は2023年10月に22万円(税込)で発売を予定している。また、国内のみで350本限定での展開となっている。

白蝶貝とグラデーションダイヤルの掛け合わせによる“田沢湖”モデルは、今回が初ではない。2022年秋冬リリースのRef.RK-AY0113Aでは冬も近い晩秋の田沢湖の湖面を、Ref.RK-AY0114Aでは湖面に映る新緑と星空をMOPダイヤル上で表していた。オープンワークが施されておらず、ダイヤルを全面活用できるメカニカルムーンフェイズを下地にしたことで、今作を含むどのモデルもムーンフェイズの月が際立つ非常に趣のある表情に仕上がっている。

しかし、Mコレクションズとして1本目のメカニカルムーンフェイズのリリースにあたり、オリエントスターはもう少しだけロマンチックな表現を行ったように思う。紅葉と月明かりを思わせるダイヤルの中心から、メッキを施したベゼルとリューズ、ダークブラウンのストラップまでを含めた、トータルのグラデーションが実に美しい。同じく秋をテーマとしたRef.RK-AY0113Aでは凛とした静けさや夜の緊張感が強調されていたが、今作はより温かみがある表情になっている。田沢湖をテーマとしたメカニカルムーンフェイズのなかで、高級感を演出するにあたってのアプローチが変わったように見える。

過去2作と同様、Ref.RK-AY0114Aにもプッシュ観音式のバックルとスモールアジャスト機能を搭載したSS製のメタルバンドが付属する。だが、もし僕が実際に身につけるなら、まずはワニ革ストラップのままがいい。せっかく秋夜の田沢湖をそのまま持ち出したような時計なのだから、その情緒を素直に味わってみようと思う。

基本情報
ブランド: オリエントスター(Orient Star)
モデル名: M45 F7 メカニカルムーンフェイズ(F45 F7 Mechanical Moon Phase)
型番: RK-AY0120A

直径: 41mm(ラグからラグまでの長さは47.3mm)
ラグからラグまで: 49mm
厚さ: 13.8mm
ケース素材: ステンレススティール(SUS316L)
文字盤色: ブラウングラデーション
インデックス: ローマンインデックス
夜光: なし
防水性能: 5気圧
耐磁性能: 1種
ストラップ/ブレスレット: プッシュ三つ折式クラスプ付きワニ革ストラップ、プッシュ観音式バックルとスモールアジャスト機能付きSS製メタルバンド

ムーブメント情報
キャリバー: F7M65
機能: 時・分・秒表示、12時位置にパワーリザーブインジケーター、デイト表示とムーンフェイズ
パワーリザーブ: 50時間以上
巻き上げ方式: 自動巻き(手巻き付き)
振動数: 2万1600振動/時
石数: 22
追加情報: 秒針停止機能付き

価格 & 発売時期
価格: 22万円(税込)
発売時期: 2023年10月発売予定
限定: 国内限定350本

シチズン 原子時計の標準電波を用いた超高精度ムーンフェイズモデル。

これは毎日自動的にムーンフェイズを調整する新しいエコ・ドライブムーブメントだ。

シチズンが、ソーラーウォッチとしては初めてのアナログ式ムーンフェイズキャリバーを搭載した、新しい“ツキヨミ A-T”コレクション発表した。この3つの新作は(10万年に1秒の誤差と言われる)原子時計の標準電波を使ったエコ・ドライブCal.H874を採用する。この新しいムーブメントは、原子時計(の標準電波)を使って毎日表示を調整する正確なムーンフェイズ機能を特徴に持つ。

 同キャリバーは電波を受信した信号に基づいて毎日月の満ち欠けを計算し、6時位置のムーンフェイズ表示が自動的に調整される。また北半球、南半球のどちらから見えているかによって、月の満ち欠けを切り替えることができる“NSシフト”機能も搭載する。この新しいムーンフェイズ機能のほか、シチズンによると同キャリバーの精度は月差±15秒だという。
 エコ・ドライブムーブメントは光を動力源とし、低電力モードだと最長2年半使用できる。Cal.H874は原子時計からの信号を受信するマルチバンド無線受信機能を備えており、原子時計の精度と設定を一定に保つ。原子時計は非常に正確で、原子の共振周波数を監視して時間を測定する。これは原子の電子状態が異なるエネルギー準位を持ち、これらの状態のあいだを遷移するとき、ごく特定の周波数の電磁波と相互作用するためである。原子時計はその精度の高さから衛星ネットワークやGPSに使用され、そして今では新しいツキヨミ A-Tの6時位置にあるアナログ式ムーンフェイズ表示にも使用されている。

 このコレクションは43mm径×10.9mm厚のチタン製ケースおよびチタン製ブレスレットを組み合わせた。シチズンは1970年に最初のチタンウォッチを作ったが、今日ではチタンにデュラクトコーティングを施し表面の耐傷性を高めている。
 ツキヨミ A-Tにはブルー、シルバー、ディープレッドの3種類のダイヤルオプションがあり、最後のディープレッドモデルはブラックDLCコーティングのベゼルが組み合わされている。価格はそれぞれ850ドル(日本円で約12万7000円)だ。

 30年前、シチズンは初のマルチバンド原子時計をリリースしたが、原子時計の歴史はもっと古い。同ブランドのもうひとつの特徴的な技術であるエコ・ドライブと組み合わせることにより、光を追加するだけで究極の精密計時が実現する。原子時計(の標準電波)を使って自動的にムーンフェイズを調整するという新しいムーブメントの開発は、この分野へのシチズンの貢献の最新形である。それ自体が科学の革新であり、それ自身のための精密な計時であり、常に興味深いものなのだ。


基本情報
ブランド: シチズン(Citizen)
モデル名: ツキヨミ A-T(Tsuki-yomi A-T)
型番: BY1010-57L(ブルー)、BY1010-57H(シルバー)、BY1018-55X(ディープレッド)

直径: 43mm
厚さ: 10.9mm
ケース素材: スーパーチタニウム
文字盤: ブルー、シルバー、ディープレッド
夜光: あり、針とインデックス
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: スーパーチタニウム製ブレスレット

ムーブメント情報
キャリバー: エコ・ドライブ H874
機能: 時・分・センターセコンド、日付・曜日表示、ワールドタイム(24タイムゾーン)、永久カレンダー、月齢自動計算機能(ルナプログラム)
パワーリザーブ: エコ・ドライブはフル充電で約2.5年間使用可能
追加情報: シチズンが開発した“ルナプログラム”は、電波発信器の信号から毎日の月の満ち欠けを計算し、自動的に調整する

価格 & 発売時期
価格: 850ドル(日本円で約12万7000円)

グラスヒュッテ・オリジナルは新たなコラボレーションによる3本の新作を発表した。

このコラボレーションは、ドイツ(そしてヨーロッパ)初の磁器メーカーとして1710年に創業したマイセンとのものである。

ご想像のとおり、この新作であるトリオは3種類の新しいポーセリンダイヤルで構成されている。ケースは直径40mmのレッドゴールド製で、厚さは10.23mm、ラグ・トゥ・ラグは47.09mm。3種のダイヤルはいずれも薄いポーセリンの板からつくられ、1400℃というきわめて高い温度で焼成される。釉薬にはホワイトまたはセラドングリーンを使用している。この過程では割れが生じやすいが、無事に焼成を終えたダイヤルには特徴的なローマ数字やレタリングなど、すべての装飾が職人の手作業で1層ずつ描き加える。各層が仕上がるたびにダイヤルは再び高温で焼成し、定着させる。
3本の限定モデルのうち2本は、マイセンのシグネチャーである“ミスティックメゾン”の装飾を採用している。ホワイトまたはセラドングリーンのダイヤル中央に描かれた輪郭の内側に、手描きによる華やかな花のモチーフを配している。それぞれ150本の限定生産だ。そして3本目は最も大胆で、そしてわずか8本限定の最も希少なモデル。ローマ数字は姿を消し、代わりにマイセンのクレーター花瓶“Dekorwelten”に着想を得た、きわめて鮮やかなコラージュが広がる。カラフルな動物、花、果実がセラドングリーンの背景の上に描かれ、すべてが職人の手によって彩色されている。

これら3本の限定モデルはいずれも、グラスヒュッテ・オリジナル自社製の自動巻きCal.36-16を搭載している。現代的な設計のムーブメントで、パワーリザーブは100時間、両方向巻き上げ機構を備え、シリコン製ヒゲゼンマイを採用している。ダイヤルのデザインこそブランドとしてはきわめて異色だが、ムーブメントはクラシックなグラスヒュッテ・オリジナルの真髄と言える仕上がりで、必要なジュネーブストライプ、手彫りのテンプ受け、そして多くの面取りや青焼きのネジがすべて施されている。
セネタ・マイセン エディションは、グラスヒュッテ・オリジナルの全ブティックおよび世界各国の一部正規販売店で取り扱われる予定だ。ミスティックメゾン ダイヤルの2モデルは423万5000円(税込)、コラージュ ダイヤルは3万6400ドル(日本円で約550万円、日本での価格は要問い合わせ)となっている。

我々が知っていること
今年のグラスヒュッテ・オリジナルのラインナップはきわめて強力だと私は感じている。そしてこの3つのモデルは一般向けのアピール力は限定的でありながらも、コラボレーションとして実に興味深く、ふたつの異なるドイツのクラフツマンシップの世界をつなぐ架け橋として理にかなっている。完璧なプリント精度を求める人は、別のモデルを探したほうがいいだろう。これらは、人間の不完全さを楽しむことにすべてがあるのだ。

言うまでもなく、“ミスティックメゾン”装飾を施したホワイトポーセリンダイヤルは、このトリオのなかでも最も控えめな存在だろう。おそらくいずれのモデルもすぐに完売すると予想されるが、なかでもホワイトダイヤルは最も早く姿を消すに違いない。グラスヒュッテ・オリジナルの時計全般に言えることだが、このダイヤルもまた“知る人ぞ知る”という絶妙なさりげなさを備えた仕上がりだ。しかしもしこの3本のうちから1本を選ぶとしたら私は迷わず、自然界の豊かさをそのまま表現したコラージュダイヤルを選ぶだろう。このモデルは、このラインナップのなかで最も突飛なものであり、すでにすべてを持っている人々のコレクションに加わることは間違いない。

基本情報
ブランド: グラスヒュッテ・オリジナル(Glashütte Original)
モデル名: セネタ・マイセン(Senator)
型番: 1-36-16-03-05-01(ホワイトのミスティックメゾン)、1-36-16-02-05-01(セラドングリーンのミスティックメゾン)、1-36-16-01-05-01(コラージュ)

直径: 40mm
厚さ: 10.23mm
ケース素材: レッドゴールド、シースルーバック
文字盤色: ポーセリン
インデックス: 手描き
夜光: なし
防水性能: 5気圧
ストラップ/ブレスレット: ダークブルーのルイジアナ・アリゲーター・ストラップ

ムーブメント情報

キャリバー: 36-16
機能: 時・分表示
パワーリザーブ: 100時間
巻き上げ方式: 自動巻き、両方向巻き上げ
振動数: 2万8800振動/時
クロノメーター認定: なし
追加情報: シリコンヒゲゼンマイ

価格&発売時期
価格: ミスティックメゾンダイヤルは423万5000円(税込)、コラージュダイヤルは3万6400ドル(日本円で約550万円、日本での価格は要問い合わせ)
発売時期: グラスヒュッテ・オリジナルブティックおよび一部の正規取扱店にて発売中
限定: あり、ミスティックメゾンは各色150本限定、コラージュは8本限定

ランゲの最も貴重な貴金属ふたつを使用した、各200本限定のサイズアップモデル。

A.ランゲ&ゾーネからリリースされた34mmの1815は、時・分・秒というシンプルな表示ながらWatches & Wondersにおける今年最高の時計のひとつであり、そのサイズにもかかわらず、万人に愛されているようだった。しかしサクソニア・フラッハには長年のファンがおり、より大きなドレスウォッチを求める声もあった。今回発表されたハニーゴールド(HONEYGOLD®)750とプラチナ950の新しいサクソニア・フラッハのペアモデルはどちらもオニキスをあしらった925シルバーダイヤルを備え、このギャップを効果的に埋める、きわめて魅力的なふたつの限定モデルだ。

 直径40mm、厚さ6.2mmの本作に搭載される直径28mmの手巻きCal.L093.1は、ケースバックから見るとやや小さく見える。厚さわずか2.9mmながら、このムーブメントは72時間という驚くべきパワーリザーブを誇り、2万1600振動/時で駆動。21石、3つのねじ留めのゴールドシャトン、耐衝撃性のスクリューテンプ、そして自社製ヒゲゼンマイを備えている。

 このムーブメントは2011年に発表されたもので、これほどのパワーリザーブと信頼性が証明されているため、その成功に代わるものや改善する必要はまったくない。そしてご覧のとおり、時計は信じられないほど薄いままなのである。



 新しいサクソニア・フラッハのモデルはどちらも素晴らしい。ハニーゴールドのケースは常にコレクターにとって魅力的な選択肢であり、ブラックオニキスをあしらったシルバーダイヤルとの組み合わせはさらに魅力を高めている。プラチナとオニキスの組み合わせもまた、ホワイトメタルの選択肢を好む人にとっては堅実な選択だ。どちらの時計も200本限定で、価格は4万5000ユーロ前後(日本円で800万円前後、日本での価格は要問い合わせ)だ。


我々の考え
興味深いことに、優れたブラックダイヤルとゴールドケースのドレスウォッチは市場にほとんど出回っていない。特に、ほとんどのコレクターが、それがヴィンテージウォッチにおける究極の組み合わせだと語ることを考えればなおさらだ。現代の文脈では重厚すぎるかもしれないが、ハニーゴールドとオニキスストーンの組み合わせは本当に素晴らしい。ランゲのプロダクト・ディベロップメント・ディレクターであるアントニー・デハス(Anthony De Haas)氏は、オニキスダイヤルとあらゆるケース素材の組み合わせを試した結果、このふたつに落ち着いたと私に語った。ホワイトゴールドはこの特別感を出すには物足りず、A.ランゲ&ゾーネは以前にもホワイトゴールドのサクソニアにブラックダイヤルを組み合わせたモデルを製造している。しかしハニーゴールドとプラチナはテストでうまく機能した。ハニーゴールドのケースとブラックダイヤルはケースの色をよりホワイト寄りに押し出すが、それでもわずかにイエローとローズの色合いを保っている。

ハニーゴールドバージョン。

プラチナバージョン。

 しかしながらハニーゴールドの魅力のひとつは、ブランドがこの素材をめったに使わないことだ。最近では、ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン・ハニーゴールド “ルーメン”や、オデュッセウス ハニーゴールドなど近年勢いを増しているように見えるが、デハス氏は使いすぎを心配する必要はないと私に語った。ハニーゴールドは加工がきわめて難しいため、オデュッセウス ハニーゴールドのブレスレットの課題はさておき、製造できるケースの数には限界があるのだ。彼らはまた、この素材の美しさの一部が光によって色合いが変化するだけでなく、その希少性にあることを理解している。今後、この素材がこれほど頻繁に使われることを期待すべきではないが、今あるうちに楽しむことはできるだろう。

基本情報
ブランド: A.ランゲ&ゾーネ(A. Lange Söhne)
モデル名: サクソニア・フラッハ(Saxonia Thin)
型番: 211.052, 211.062

直径: 40mm
厚さ: 6.2mm
ケース素材: ハニーゴールド(HONEYGOLD®)750とプラチナ950
文字盤色: 925シルバー、ブラックオニキス張り
インデックス: ゴールド750、ロジウム仕上げ
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ブラックでグロッシーなアリゲーターレザーストラップ、ケースと同素材のピンバックル


ムーブメント情報
キャリバー: L093.1
機能: 時・分表示
直径: 28mm
厚さ: 2.9mm
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 21
クロノメーター認定: なし
追加情報: 未処理のジャーマンシルバー製プレートとブリッジ、手彫りのテンプ受け

価格&発売時期
価格: 約4万5000ユーロ(日本円で約800万円、日本での価格は要問い合わせ)
発売時期: 発売中
限定: あり、各200本限定

オリスとコレクティブ・オロロジーによる70年代風ウォッチが登場。

コレクティブ・オロロジー(Collective Horology)は、モンブランとコラボした1858 ミネルバ モノプッシャー クロノグラフのリリース後、大盛り上がりを見せている。今回のコラボ相手はオリスだ。1970年代にタイムスリップしたような新作を紹介しよう。

オリス ダイバーズ65 キャリバー400 C.04
ベースはほかのオリス ダイバーズ65と同じ、40mm径×12.8mm厚のステンレススティールケースを採用(少なくともCal.400ムーブメントを載せたモデルと)。今回の時計は1975年までさかのぼり、ブロンズのアクセントと、1970年代のキッチン(今まで想像したなかで最も派手なタイプ)から飛び出してきたような配色をまとう。本作はブロンズ製逆回転防止ダイビングベゼル、センターリンクにブロンズを配したブレスレットを備え、さらにイエローの夜光塗料を塗布したブロンズ針が、同じくイエロー夜光塗料のインデックスとマッチしている。文字盤はオレンジとイエローの夜光、そして赤みがかったオレンジが混ざり合っていて、70年代を生きたことがなくても直感的に70年代風だと思える。

オリス ダイバーズ65 キャリバー400 C.04
前述したように、時計は自社製ムーブメントのCal.400を搭載しており、約120時間のパワーリザーブを確保する。シースルーバックを備えたケースは100mの防水性を備えるなど、ほとんどの用途には十分なスペックだ。価格は4500ドル(日本円で約67万8000円)だが、これは自社製ムーブメントを考慮したものだ。本当に悔しいのは、これが連続生産されるわけではなく、250本しか製造されないことである。

我々の考え
我慢できない。言わせてくれ。これはグルーヴィー(超イイもの)だ。

オリス ダイバーズ65 キャリバー400 C.04のリストショット
コレクティブ・オロロジーのチームは、初期のダイバーズ65で様式化された夜光インデックスをうまく利用している(それ自体がヴィンテージオリスへの回帰である)。そこにブロンズの逆回転防止ベゼル、70年代らしいカラーリング、ブロンズ&SSのブレスレットでパンチを効かせており、今年発表されたオリスのなかでいちばん好きなモデルかもしれない。

ある時点で私は、オリスが旧来の非自社製ムーブメントをやめ、ダイバーズ65のラインナップをCal.400ムーブメントに完全移行するだろうと思っていた。結果は、ふたつの異なる価格帯を展開することで、ブランドを身近なものにさせた。しかしコレクティブ・オロロジーは少し高級なものにして、約120時間パワーリザーブを持つムーブメントをチョイスした。これは正しい選択だと思う。確かに、“ダイバー”と名を冠しているのに100mの防水性能しかないため、ダイビングに適した時計ではないが、カジュアルなスキンダイバースタイルの時計としては、とても楽しい選択肢であることは間違いない。

オリス ダイバーズ65 キャリバー400 C.04
コレクティブ・オロロジーのガーベ・レイリー(Gabe Reilly)氏が指摘しているように、ほかのブランドがブレスレットやベゼルに温かみのある色合いを出すときは、ゴールドキャップ(金メッキ等)を採用していたのに対し、オリスはラインナップの大部分をブロンズが占めている。多少の経年変化は起こるものの、ケース全体がブロンズで作られていないため、ヴィンテージの金無垢モデルや金メッキ時計で見られるパティーナのような雰囲気を演出し、しかもそのパティーナを得るのに50年もかからないという長所が、本当にクールに感じるのだ。

基本情報
ブランド: オリス × コレクティブ・オロロジー(Oris × Collective Horology)
モデル名: オリス ダイバーズ“75” キャリバー400 C.04(Divers "Seventy-Five" Calibre 400 C.04)
直径: 40mm
厚さ: 12.8mm
ラグからラグまで: 48mm
ケース素材: ステンレススティール、ブロンズベゼル
文字盤: オレンジ、イエロー、レッドのマルチカラー
インデックス: 70年代風のオーバーサイズプリント
夜光: あり、インデックスと針
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ブロンズ&SSブレスレット

オリス ダイバーズ65 キャリバー400 C.04に搭載されたCal.400
ムーブメント情報
キャリバー: 400
機能: 時・分・センターセコンド
直径: 30mm
厚さ: 4.75mm
パワーリザーブ: 約120時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 21

価格 & 発売時期
価格: 4500ドル(日本円で約67万8000円)
発売時期: 現在生産中で、2023年12月に出荷予定
限定: 世界限定250本、コレクティブ・オロロジー公式ECサイトで販売