2025年11月

ロレックスはル・マン 24時間レースの第100回大会を記念して、特別なデイトナを発表した。

つい数週間前にロレックスは、少なくともつい最近まではほとんどやっていなかったことをやった。ロレックスは通常の見本市の枠組みを超えてアニバーサリーウォッチを発表したのだ。このブランドは予想もつかない大胆さをもって我々を驚かせ、おそらく今年もっともホットな時計を発表した。

メタルで縁取られたベゼル、ダイヤルレイアウトの変更、新型ムーブメント)を取り入れたこのデイトナの最新モデルは、まさに…あらゆる意味で別格だ。

思い出してほしいのだが、ロレックスは過去にもアニバーサリーモデルを発表している。カーミット・サブマリーナー(ブラックダイヤルにグリーンのベゼルインサートを施したもの)やプラチナのデイトナだ。これらの時計と新作デイトナ “ル・マン”との違いは、それぞれが既知のデザインをベースに新たに表現されたものだということである。そしてそれはロレックスがオマージュを好まないからだ、と、私たちはそう思っていた。

この新型デイトナはロレックスが独自の方法で過去に回帰したデザインを採用している。ヴィンテージモデルのオマージュでも完全復刻でもない。過去をユニークな手法で振り返り、新しいリュクスを表現したデイトナなのだ。では、その過去とは何か? それは、ポール・ニューマンのスタイルと初代デイトナの美学をミックスしたもので、それ自体がル・マン 24時間レースにルーツを持つものだ。

デイトナ 24時間レースの起源
ル・マン 24時間レースは、地球上でもっとも歴史と権威のある耐久レースである。そしてロレックス デイトナはこの地球上で最も有名な機械式クロノグラフであり、その起源はル・マンに遡るが、別の24時間耐久レース(想像にお任せする)にちなんで名付けられた。
というのも、オリジナルのロレックス デイトナ Ref.6239は当初、デイトナとは呼ばれていなかった。また1963年に誕生したこのモデルのマーケティングと広告でも、この時計を“デイトナ”とは呼ばなかったのだ。その代わり、広告では “ル・マン”と呼ばれるクロノグラフについて言及している。
そう、ロレックス デイトナは誰がどう見ても、当初はロレックス ル・マンと呼ばれる予定だった。1960年代半ばにロレックスがデイトナ24時間レースのスポンサーになったおかげで、最終的にはデイトナがその名を冠するに至ったのである。
しかし、約60年前にその地位を確立したのはル・マンだった。だから6月に発表されたこの新しいデイトナはル・マン 24時間レースの100周年を祝うと同時に、ロレックスのコスモグラフがまさに同じ名前で呼ばれるようになってから60年という節目の時計でもあるのだ。
ロレックスのオマージュのバリエーション
はっきり言って、私たちはこのモデルをオマージュと呼ぶつもりはない。しかしこの新しいクロノグラフのデザインには、ロレックスの過去のモデルを指し示すイースターエッグ(隠れ仕様)が数多く隠されている。例えば、Ref.6239とRef.6263の両方の様式にしたがった初のリバースパンダ仕様(ブラックダイヤルにホワイトのインダイヤル)、Ref.6239 デイトナ “ル・マン”(Aクラスの俳優によって有名になった、赤いアクセントとユニークなタイポグラフィが特徴的なファンキーダイヤルの派生モデル)である。
デイトナに大金を払うのであれば、その対象は歴史的に重要なものであるべきだと私は考えている。

– ベン・クライマー HODINKEE創設者
ではノン・ニューマンのブラックダイヤルのデイトナと、ニューマンのブラックダイヤルのデイトナの違いとは何か? 実は違いは多い。伝統的なノン・ニューマンのデイトナは多くの点で初期のホイヤー カレラによく似ている。標準的なマットブラックダイヤルにホワイトのハッシュマーク、そしてハイコントラストなホワイトのインダイヤルに標準的な数字のプリント(インダイヤルのフラットな“4”のタイポグラフィを含む)である。そんなところだろうか。

ニューマンダイヤルは、より豊かな視覚的魅力とコントラストを持っている。ダイヤル外周のハッシュマークは、ホワイト地に鮮やかなレッドで描かれている。ダイヤル内側はフラットなブラックカラーだ。ホワイトのインダイヤルはニューマン以外のモデルと共通だが、ここで重要なのはその内側であり、標準的なものは何もない。まず端が四角いインナーマーカーと、シャープなエッジを持つまるでアール・デコ様式のユニークな数字のタイポグラフィである。これらの特徴を総称してエキゾチックダイヤルとして知られているが、それを見れば納得だ。
このニューマンダイヤルのデイトナは、当時特に人気があったわけではない。だがニューマンはデイトナのなかで最も認知度の高いモデルとなっている。これらの時計がオークションに出品されると高値で取引されるのが通例であり、現代の時計コレクション界隈においてもその人気は衰えていない。

ポール・ニューマンは時計界で最も重要な人物であり、彼の死後に時計界に与えた影響は計り知れない。ポンプ式プッシャーを備えたRed.6239 ニューマン・デイトナであれ、後期のRef.6263のねじ込み式プッシャーのデザインにせよ、彼自身が当時のロレックスで最も売れ行きの悪かったモデルのひとつをアイコニックな存在に格上げしたのである。それは影響力がなせる業だ。
 この2023年モデルはロレックスがル・マンとニューマンから少しずつヒントを得て、お祝いムードにふさわしい外観に仕立て上げたものだ。まず赤いアクセントが使われていることだが、これは普段目に付きやすい場所にあるわけではない(本モデルではベゼル)。またブラックセラミック製ベゼルは、旧モデルのブラックアクリル製ベゼルの質感を模倣したものである。

スタンダードなブラックダイヤルにホワイトのインダイヤルを組み合わせた意匠は初代Ref. 6239 デイトナ ル・マンを彷彿とさせる。インダイヤルのシンプルなタイポグラフィと全体的にシンプルなデザインは、現代のデイトナパッケージのなかでは限りなくその外観に近い。エキゾチックな雰囲気が感じられるのはプッシャー類の内側を見たときだ。内側のマーカーは、ヴィンテージ・ニューマンのダイヤルに見られるような四角い外観を持つ。そしてこのデザインキューを復活させることは、極端に言えばデイデイト “emoji(絵文字)”の登場と同じくらい意外なことであった。

ロンジンのモダンなダイバーズウォッチに、初めてGMTが搭載された。

ロンジンはハイドロコンクエストのラインナップにGMT機能を追加した、ハイドロコンクエスト GMTを発表した。ハイドロコンクエストは、(レジェンドダイバーやスキンダイバーのような伝統にインスパイアされたモデルとは異なり)ロンジンが提案するモダンなダイバーズウォッチとして2007年に登場したコレクションだ。ハイドロコンクエスト GMTは4色のダイヤルカラーから選択可能で、それぞれ単独で調整可能なローカル12時間針を備えたETAベースの新ムーブメント、ロンジン Cal.L844.5を搭載している。

 新型ハイドロコンクエスト GMTの直径は41mmで、厚さは12.9mm。ラグからラグまでの長さは明記されていないが、3針のハイドロコンクエストでは約50mmだった。ステンレススティール(SS)製ケースの防水性能は300mで、逆回転防止機能付きセラミック製ベゼルを備えている。4種類のダイヤルはすべてサンレイ仕上げで、SS製ブレスレット、またはダイヤルの色に応じたストラップ(ブラックまたはブルーはラバーストラップ、グリーンまたはブラウンはNATOストラップ)が用意されている(編注;NATOストラップモデルの日本展開はなし)。ロンジンによると、ブレスレットとラバーストラップにはマイクロアジャストクラスプを採用。時針は金メッキもしくはシルバーとスーパールミノバで仕上げられ、外周には24時間スケールが配置されている。
 内部には、72時間のパワーリザーブとシリコン製ヒゲゼンマイを備えたETAベースのロンジン製ムーブメント、L844.5を搭載。このムーブメントはロンジンによる新型ムーブメントで、スピリット Zulu Timeに搭載されているCal.L844.4と同様に、単独で調整可能なローカル時針を備えたジェームズが言うところの“フライヤー”GMTとなっている。

我々の考え

ハイドロコンクエスト GMTは、ロンジンの現代的なダイバーズウォッチであることに加え、より広範囲にわたる“ダイブGMT ”カテゴリに加わる価値を持つモデルのようだ。4色のカラーバリエーションはモダンなスタイル(ブルーまたはブラックのラバーストラップオプション付き、シルバーダイヤル仕上げ)、またはヴィンテージな スタイル(ブラウンまたはグリーンのNATOストラップ付き、金メッキダイヤル仕上げ)から選ぶことができる(編注;NATOストラップモデルの日本展開はなし)。だが、セラミック製ベゼルを備え、300m防水とISO764に準拠する耐磁性を備えたムーブメントを搭載した堅牢でモダンなダイバーズウォッチであることに変わりはない。



 3000ドル以下の堅実なGMTウォッチの選択肢が増えつつあるロンジンに、また新たなモデルが加わったことになる。ロンジンは2022年、直径39mmに小型化したZulu Timeを発表したばかりだ。特筆すべきは、ハイドロコンクエストGMTの厚さがZulu Timeのいずれのサイズよりも薄いことだ。ハイドロコンクエストの厚さ12.9mmはZulu Timeの42mm径よりも1mm薄い。

 ハイドロコンクエストは、現代のツールウォッチとして構想されたロンジンのモダンダイバーズである。ここ数年、新しいGMT搭載キャリバーが開発され続けているなかで、ロンジンがハイドロコンクエストの未来に向けた投資を続けているのは素晴らしいことだ。

基本情報
ブランド: ロンジン(Longines)
モデル名: ハイドロコンクエスト GMT(HydroConquest GMT)
型番: L3.790.4.06.6(グリーン、SS製ブレスレット)、L3.790.4.06.2(グリーン、NATOストラップ)、L3.790.4.66.6(ブラウン、SS製ブレスレット)、L3.790.4.66.2(ブラウン、NATOストラップ)、L3.790.4.56.6(ブラック、SS製ブレスレット)、L3.790.4.56.9(ブラック、ラバーブレスレット)、L3.790.4.96.6(ブルー、SS製ブレスレット)、L3.790.4.96.9(ブルー、ラバーブレスレット)※L3.790.4.06.2、L3.790.4.66.2は日本展開なし

直径: 41mm
厚さ: 12.9mm
ケース素材: SS
文字盤色: サンレイ仕上げのグリーン、ブラウン、ブラック、ブルー
インデックス: スーパールミノバを施したアプライド
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット: SS製ブレスレット(マイクロアジャストクラスプ付き、すべてのカラーに付属)、ブルーまたはブラックのラバーストラップ(マイクロアジャストクラスプ付き、対応するダイヤルカラーに付属)、NATOストラップ(カーキグリーンまたはベージュ、対応するダイヤルカラーに付属)


ムーブメント情報
キャリバー: L844.5
機能: 時刻、デイト、GMT (12時間針を単独で調整可能)
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万5200振動/時
石数: 21
追加情報: シリコン製ヒゲゼンマイ

価格 & 発売時期
価格: 40万3700円(税込) 編注;NATOストラップモデルの日本展開はなし。8/22より43万5600円(税込)に価格変更

関連商品:https://www.hicopy.jp/brand-copy-IP-39.html

タグ・ホイヤー最新作“カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリームスポーツ|F1® 75周年 リミテッドエディション”が2025年12月に登場する。

TAG Heuer(タグ・ホイヤー)
カレラ トゥールビヨン クロノグラフ エクストリームスポーツ|F1® 75周年 リミテッドエディション
本作は、世界最高峰のモーターレース”フォーミュラ1”の75周年を記念して製作された限定モデル。1963年に誕生した“カレラ”コレクションと、タグ・ホイヤーが培ってきたモータースポーツの伝統を取り入れた。

ケースは44mm径サイズ、サンドブラスト仕上げを施したチタン製に、18Kイエローゴールドの固定式ベゼルを組み合わせたデザイン。

文字盤は、ブランドを象徴するシースルー仕様で、チェッカーフラッグを思わせる模様がインパクト大。

また、ロジウムコーティングの針や、レコードのような同心円の溝を彫るアジュラージュ加工のクロノグラフカウンターを配し、12時位置にはF1ロゴ、タキメータースケールの”75”には公式記念ロゴを刻印した。

限定75本で、裏ブタには1950年から2024年までのF1チャンピオンシップの年号を刻印。勝利の象徴であるゴールドの冠がサファイアガラスにあしらわれ、F1の栄光を称える1本に仕上げられている。

 

そして、搭載するムーヴメントは、自社製トゥールビヨンキャリバー”TH20-09”。約65時間のパワーリザーブ機能や、10気圧防水機能も備える。

収納ボックスは、公式の75周年とブランドのロゴなどを含む、勝利の冠が刻まれたデザインとなっている。なお、販売予定価格は598万4000円だ。

H.モーザーのエンデバーにベンタブラック®ダイヤルが登場!

H.モーザーはジュネーブ・ウォッチ・デイズ 2023に向けて、エンデバーコレクションにふたつの新作、エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ベンタブラックとエンデバー・センターセコンド ベンタブラック®を発表した。このふたつのモデルは、2018年のエンデバー・パーペチュアル・ムーン コンセプトから昨年のゴージャスなレッドゴールドのストリームライナー・トゥールビヨンまで、H.モーザーがここ数年時計に使用してきた黒より黒いベンタブラック素材の素晴らしい延長線上にある。昨年のトゥールビヨン同様、ここでもトゥールビヨンが主役だ。
どちらも40mmの5Nレッドゴールド製ケースに、モーザーの“M”をあしらったリューズが特徴だ。エンデバー・センターセコンドは厚さ11.2mmで、ベンタブラック®文字盤の上にゴールドの針が浮かび上がっているようだ。内部には72時間のパワーリザーブとシュトラウマン・ヘアスプリング(2007年よりモーザー・プレシジョン・エンジニアリング社によって製造されているダブルヘアスプリング)を備えたモーザー社製自動巻きCal.HMC200が搭載されている。H.モーザーは数年前からベンタブラック®を採用し、遊んでいる(2019年のエイプリルフールのジョークを覚えているだろうか)。ベンタブラック®はカーボンナノ構造からなる素材で、99.965%の光を吸収し、地球上で最も暗い物質と言われている。
トゥールビヨン コンセプト・ベンタブラック®は、モーザーのコンセプトラインの延長線上にあるモデルだ。通常、時計の文字盤に配されるロゴやマークは排除され、その代わりに文字盤とコンプリケーションの存在を際立たせる、すっきりとしたオープンな文字盤が採用された。そしてこのモデルでは、ワンミニッツ フライングトゥールビヨンがすべてを物語っている。

エンデバー・センターセコンドの希望小売価格は2万7600ドル(約400万円)、エンデバー・トゥールビヨン コンセプトは8万2500ドル(約1200万円)だ。

エンデバーのラインナップに劇的な新しさをもたらすわけではないが、これはカッコいいペアだ。ブラックとゴールドの組み合わせは古典的なものだが、ブラックよりのベンタブラック®とH.モーザーの5Nレッドゴールドによって、さらにドラマチックなものとなった。トゥールビヨン コンセプト ベンタブラック®は、昨年発表されたストリームライナー トゥールビヨン ベンタブラック®をさらにドレスアップさせたようなモデルである。

 ストリームライナーのトゥールビヨンは、一見広大なブラックホールのような文字盤の真んなかにあり、見る者を魅了する。昨年はスポーティなストリームライナーのトゥールビヨンが大ヒットしたが、ドレッシーなエンデバーのラインナップのほうが個人的には好みなので、同社のカタログにこのオプションがあることを嬉しく思う。

 当初はちょっとしたジョークとして始まったのかもしれないが、H.モーザーはベンタブラック®を使い、実に見栄えのする時計を作り続けている。


基本情報
ブランド: H.モーザー(H. Moser & Cie.)
モデル名: エンデバー・センターセコンド ベンタブラック®(Endeavour Centre Seconds Vantablack®)
型番: 1200-0411

直径: 40m
厚さ: 11.2m
ケース素材: 5N レッドゴールド
文字盤色: ベンタブラック
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ハンドステッチのグレー・クードゥー・レザー、18K5Nレッドゴールド製のピンバックル

ムーブメント情報
キャリバー: HMC 200
機能: 時、分、秒
直径: 32mm
厚さ: 5.5mm
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 28石
クロノメーター認定: なし
追加情報: シュトラウマン・ヘアスプリング(モーザーの姉妹会社、プレシジョン・エンジニアリング社製)

価格&発売時期
価格: 2万7600ドル(約400万円)
限定: なし



基本情報
ブランド: H.モーザー(H. Moser & Cie.)
モデル名: エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ベンタブラック®(Endeavour Tourbillon Concept Vantablack®)
型番: 1804-0403

直径: 40m
厚さ: 10.7m
ケース素材: 5Nレッドゴールド
文字盤色: ベンタブラック
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ハンドステッチ入りのマットアリゲーターレザー、18K 5Nレッドゴールド製フォールディングクラスプ付き

ムーブメント情報
キャリバー: HMC 804
機能: 時、分、6時位置にワンミニッツフライングトゥールビヨン
直径: 32mm
厚み: 5.5mm
パワーリザーブ 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 28石
クロノメーター認定: なし
追加情報: スケルトン仕様のトゥールビヨンブリッジ

価格&発売時期
価格: 8万2500ドル(約1200万円)